ロバート・ブロック「夢魔」その2

後ろに行くにしたがって段々つまらなくなってくる

前半はそこそこだったんだけど今回のは本当にさ…

蛇母神

ハイチの自殺した大統領に纏わる話。
色んな国から連れてこられた黒人奴隷たちの国ハイチでは、色々な呪術が混ざり合って混沌の坩堝と化していた。その中でも山にすむ魔術師たちは更に恐ろしい儀式を行っていると恐れの対象だった。
そんな魔術師の中の一人に息子がいた。その息子はフランスへ留学。帰国後にフランスで身に付けた力と暴力政略によってこの無法地帯ハイチの大統領に就任する。
ところが、本物の呪術師であった母親を蔑ろにして、自分の結婚式や大統領宣言に呼ばなかったことから恨みを買ってしまう。母親は蛇の呪いによって大統領の新妻を呪殺。
怒った大統領は魔女狩りを行い、母親を捕縛すると、地下牢で拷問を行い、その死体から蝋燭を作り上げた。
母親捕縛から止まっていた4日分の仕事を片付けるため執務室に閉じこもり、作りたての蝋燭に火をつけて仕事を始める大統領。仕事をしていると火のついた蝋燭が人頭蛇になり、呪いで動けなくなっていた大統領へ襲いかかった。
死体を発見した護衛たちは大統領の頭を銃で撃ち抜き、大統領は自殺したという事にして、事なきを得た。
そしてこの後魔女狩りは中止されたそうな

バ カ な の ?
普通に、殺した相手の蝋燭使ったりしたら、なんかおかしなことになるって分かるやん?
バカなん?死体残してること自体が悪手なんだよな、そもそも。
呪術師の死体なんだから蘇らないようなんらかの処置するとかの手を打たなかったのは呪術師の息子にしてはお粗末な末路。

単なる黒人偏見に基づいた迷信的な話では?以外の感想は浮かばなかったな


火星への片道切符

登場人物の行動の理由が何にも示されずに終わる作品。

アル中のトランペッター、ジョー・ギブスンが酒場で飲んでいるところへ「火星旅行への片道切符を買わないか?」と茶色いコートの男が話しかけてきた。
おもねるような調子の声にカッときたギブスンが殴りかかるが、その男はギブスンにしか見えていなかったらしくその場にひっくり返る。
その日から電話やコンサートの後に茶色いコートの男が現れるようになり、そのたびにギブスンは異様な怒りを燃やして姿を追うが案の定捕まることはない。
結局精神科に見てもらうことになったのだが、その精神科医からもなぜギブスンが「火星旅行切符を売る男」に執着するのか、なぜそのような幻覚が現れるのかは示されない。解ったのは茶色コートの男は口の周りがシワシワのティッシュみたいで、ギブスンが火星や288という数字について何か聞かれたくない秘密があるらしいと言うことだった。
診療所の待合室で再度茶色コートの男と出会い絞め殺した(現実には居なかったのでただ暴れただけの)ギブスンは精神病棟入りが決まったが、連れて行くバスがくる前にエージェントのマキシーを撃ち殺して逃亡。地下鉄へ乗り込み、してやったとほくそ笑むギブスン。
そこに車掌らしい男がやって来て、ジョーの切符を確認する。その切符にはジョー名前と目的地が記されていた。
外は既に星の海。
切符に記された行き先は、あの世。


さあ、読んだ感想としては、さっぱりわからん……何なんだろうなこの話。意味が分かると怖い系?
火星行きが死と直結とは理解しがたいな。片道切符何だから、どこだろうと同じなんだろうが。なんかのジョークなのかこれ?火星は天国かなんかの暗喩なのか?
さっぱりわからん。

恐怖が迫ってくる

離婚を迫る旦那に精神病院に入れられたと主張する女性の話。
友人がその病院の近くに別荘を持ってる事を知って居たおかげで、病院から逃げ出し一時的に友人に保護されたが、話が信用されないと知るや、病院の飼ってる猟犬から逃れるためにまた家の外へ逃げていったのだった。
その後、主人公だけが彼女の話を裏付けるかのような猟犬の声に気づいたのだった。

つーわけで、何も始まらずにおわりましたね。話が本当かどうかも不明。
この人は他に、「同じような主張してて、ガチの精神病院から逃げ出した殺人鬼」を書いてたりするからなぁ