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「虐殺器官」その1

良くこんな物が受けたものだ

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

というのが第一印象。
なにせジャンルがSFである。あの現実を一切見ることのない、常に虚構のみに彩られているジャンルにこんな生々しい戦地の描写など盛り込んで大丈夫なのだろうか?と言うより、そうやって清潔で、人間の性善説を信じて、より理性が高次の段階になれば争いはなくなり、人々は穏やかな生活を送れるなどと無邪気に信じ込んでいる話を好む連中にこの話が受けるのだろうか?
ちなみに自分的に受けた印象はこの作者海外FPS系のゲーム好きそうだなぁと言うこと。若干未来的な軍事アイテムと、相変わらず人間が戦争に従事していると言うシチュエーションとか。
要するにSF的要素というのはこの手のゲーム要素を現実的に成立させるために存在していると言っても過言ではない気がする。
とは言っても思いつくゲームはSTALKERかBattleFieldぐらいだが。

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)


まあ、ネット上の発言で一番声がデカイものと言えばゲーマー連中のものだから、そういう連中の支持を得られれば、上位層の支持がなくても売れるのかもね。「オーバーロード」的な。


まあ、内容はとにかくグロい。最初から死体のオンパレードである。
小林泰三とか田中みたいなB級なグロテスクさと違ってそこには残酷さがある。

「ぼくが死んだ日」その1

某子供向けホラーよりは面白い

ぼくが死んだ日 (創元推理文庫)

ぼくが死んだ日 (創元推理文庫)


表紙でどっかで見たような雰囲気出してたので手に取ったけど、名前には全然ピンと来るところがない。

トンネルに消えた女の怖い話

トンネルに消えた女の怖い話

経歴見てみるとヤングでアダルトな(YA)小説書いてるっぽいのと、翻訳者がプリーストリーのと同じだから同一人物じゃないの?と感じたけど、名前は全然別。

道路で拾ったずぶ濡れの女の子を家まで送っていった後、シートに靴が置きっぱなしになっているのに気づいた主人公は、その家まで靴を返しに行くが、その家の住人はその女の子は既に何年も前に死んでいるという。信じない主人公はその子が埋葬されているという墓地まで出かけてゆくと、それまでも同じようにここを訪れた人たちが残していった靴がいくつも放置されていた。
そしてそこで死んだ子どもたちが自分の死んだ経緯を語り始める。

マイク

聞き手の話。16歳のマイクは夜の12時過ぎに車を飛ばしていたところ、びしょ濡れの女の子に遭遇。その子キャロルアンに家へ送ってと言われて家の敷地前まで送ってゆくが…

ジーナ

最初の語り。
自分の空想話を方々に語っては嘘つき呼ばわりされる女の子ジーナ。ある時転校生のアントニーがやってきたことから、おかしな事になる
あ、そこで終わり?的な。結局アントニー何がしたかったの?奴さんなんで生きてんの?
これも結局ある意味自業自得な気もする

ジョニー

女教師の机に蜘蛛を入れて殺しかけたことから退学になったジョニー。最初はスリ。その次は葬儀屋の礼拝堂に安置してある死体から貴重品を盗む生活をしていたが、ある時かつて自分の女教師の死体と出会う。かつて教壇でみかけた金の三日月に赤い石の付いたブローチを盗もうとするが…
棺桶の中からボーラムが唱えていたのは、よみがえりの呪文と死を他人に移す呪文だったらしい。でも死んでんのになんで唱えられたんだろう。て言うか、生きてたら生きてたで、死を移す事はできないのでは

スコット

廃墟の写真を撮りにシカゴ州立精神病院へ行ったスコット。最初は幽霊なぞ信じずに写真を撮りまくっていたが…‥

シカゴ州立精神病院!恐ろしいな……
これの良いところは明らかに怪異の兆候が出てる場所にいつまでも留まったりせずに逃げ出すところですかね。その手の去勢はるアホにはウンザリしてるからな。

「FUNGI 第1コロニー」その1

きのこ好きかい?

FUNGI-菌類小説選集 第Iコロニー(ele-king books)

FUNGI-菌類小説選集 第Iコロニー(ele-king books)

海外で編纂されたアンソロジーの翻訳。つまり、タイトルの「Fungi」は原題そのままということに。
本屋で見かけて、早川ポケミスもなかなかセンスの良い表紙出すようになったなと思ったら別の出版社だった。
ポケミスみたいな新書サイズに謎の透明カバーがついてると思えば良い。完全に真っ黒な表紙には興味湧かないが、こういうタイプの表紙なら大歓迎。

菌糸

水虫みたいな菌で体そのものがきのこにされてしまう話
とにかく水虫に感染した足の描写が気持ち悪い……。話の落ちは何となく想像できる

白い手

菌類と人間の謎のクロニクル。

白きトリュフの娘

キノコがキノコで潜水艦作って海に潜ったらエンジン壊れて海底に閉じ込められた話。
閉じ込められて内壁食ってしまうあたり「どすこい」っぽい感じがする。
表紙の何かは恐らくこれに出てくる潜水艇

タイトルはラパチーニの娘的なあれ?

「幻想と怪奇 ポオ蒐集家」その1

幻想と怪奇―ポオ蒐集家 (ハヤカワ文庫NV)

幻想と怪奇―ポオ蒐集家 (ハヤカワ文庫NV)

アムンゼンの天幕

まんまラヴクラフトとか言われてて興味湧いた一品。
確かにそれっぽくはあるが、ラヴクラフトよりはマシなんじゃないかな。
書き方も無くはないし。ドラキュラとか
アムンゼンは実在した探検家で南極点到達を成した1人。しかし、この手記の作者はアムンゼンの到達から1年も経って南極点到達を行おうとしてるのに「南極は我々のものだ――アムンゼンあるいはスコットか、あるいは両者に先んじられていなければであるが」なんて文章が出てくるのだろう。
サザランド探検隊ってなんですかね?実在したのかと思ったらこっちは存在しないみたいだが。

寂しい場所

オーガスト・ダーレス!こんなとこで名を見るとは思わなかったな。
日本のクトゥルー神話愛好家から蛇蝎の如く嫌われているせいか、ホラー作家って印象は薄いが、こういうトコにとられるってことはそれなりなのかな。この作者のクトゥルー神話自体はそう悪くはないが(主に文章面で)、怖いかと言われるとそうでもない気もする。
内容は、子供の頃暗がりで空想した怪物が現代に蘇って子供を殺したという、スティーブン・キングの「イット」みたいな話。

無料の土

無料大好きだからって無銭飲食とか万引きはイカンでしょ……。
しかしなんで収穫した穀物を全部いっぺんに食うかね……。オマケにその状態でどうでもいい植物取りに行くとか……

二年目の蜜月

妻から腐敗臭がするようになった話。
結局正体何だったの?グール?ゾンビ?

ポオ収集家

ポオ収集家

小林泰三「失われた過去と未来の犯罪」

タイトルと中身の関係無さが凄い

失われた過去と未来の犯罪

失われた過去と未来の犯罪


例の北朝鮮引き起こした実験のせいで世界中で大忘却が起こり、メモリーカードで生活する事になった世界の話。
例の短編を取り込んで長編化でもしてるのかと思ってたら、独立した作品らしい。
関連性無い訳ではなく第一部辺りは明らかに短編の「大忘却」の起こった当時の話。
第二部はショートショート連作集で、短編と同じく、人々がメモリーカードで生活するようになった世界で起こる珍妙怪奇…でもないどっかで聞いたことのある話。いわゆるマンガ的なシチュエーションをSF的に表現する類の?

話は第一部、第二部に分かれてはいるが、実際は第一部が短編。第二部が区切りのないショートショートといったかんじ。終わり方は…「delivery」並の、いきなりそこ行くの?言いたくなるような終わり方。ていうかまあ、シチュエーション的には藤子・F・不二雄の「どことなく、なんとなく」で良いんでしょうかね。

第一部

「大忘却」が起こってすぐの話。
なぜか原発が出て来る。タイムリーだからかな?
原発の様なシステムは人間の記憶力に頼って稼働するようなシステムではない云々と言うのはどういう意味なのか…そのまんまかな?ならなんで福島第一原発事故は起きたのか?と。

第二部

メモリーカードに記憶する事によって文明を維持するようになった世界の話。連作ショートショートという感じ。
ここに例の殺人鬼と記憶入替え倒錯趣味の少女の話が出てくるのかとか思ったけど別にそんな事も無かった。
表紙のはどうやらここに出で来る双子のようですね。
個人的に「審神者」って単語が出てきたのに爆笑(笑ったとは言っていない)。刀剣乱舞かなにかやっていらっしゃる?まあ、本来の意味からのルートで使ってるだけだろうけど。

まあ、スラスラ読めたんで割りと良い方かなぁ

「新編真ク・リトル・リトル神話大系1」その1

今更読み出したのは「毒入りスープ」のシナリオに出てくる邪神が、「世歩く石像」に出てくるものだと知ったからである、もちろん

新編 真ク・リトル・リトル神話大系〈1〉

新編 真ク・リトル・リトル神話大系〈1〉

F.B.ロング「夜歩く石像」

象の像の出てくる話。
学芸員が持ち帰ってきた象の像は忌まわしい来歴のあるものだった。その学芸員もその像を手に入れるため恐ろしい体験をして、挙句に顔が象のようになって死んだのである。
事件によってその像の閲覧希望者が増えたことから美術館主任のアルジャノンは、像を公開することに決めるが、その朝、美術館内で殺人事件が起きる。遺体からは血が抜き取られ、その前には例の象の像が鎮座して被害者の血を浴びていた。

登場する邪神(?)はクァウグナール・ファウグン。昼間は像の姿をした象だが、夜になると動き出して人の生き血をすする。一度すべての出来事を体験したとか言ってるけどその割にやることショボイ気もする。

「星を撃ち落とす」その2

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)

星を撃ち落とす (ミステリ・フロンティア)

2章

まあ、表紙に似た描写のある建物が出てきて、いよいよと言うところになるのか。
でもまあ、やってる事はライトノベル出身作家の書いた学園モノミステリみたいな感じよね。
まあ、身近な連中が殺人犯したりするような妙ちきりんな展開でないだけマシだけど。
ネタはいわゆる、過去の彼方の地で起きた殺人の真相を探る的な代物。自分たちの日常とは全く関係のないところの殺人を推理するという、ナントカ部じみた代物。まあ、金田一少年の事件簿が出たあと雨後の筍みたいに出てきた高校生探偵の出て来るようなのに比べたらマシでしょうなぁ……犯人も高校生とかクソみたいな展開多かったね…