「なんでもない一日」シャーリイ・ジャクスン その1

初心者向け

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

なんでもない一日 (シャーリイ・ジャクスン短編集) (創元推理文庫)

スミス夫人の蜜月(バージョン1)

シャーリイ・ジャクスンの割に分かりやすくて面白い。逆にあっけないぐらいだが。

買い物に行ったところ近所の住人から変な目で見られて、隣人からも警告を受けるスミス夫人。理由は最近結婚した夫のことについてだった。3x歳にて未だに未婚だった夫人は、スミス氏との出会いによりこの度結婚することになったのだが。隣人は彼女の夫は、かの新聞に乗っている、妻を殺害している殺人鬼ではないのか?というのだ。
顔や、現場となった家と二人の新居となる家は似ているが、3x歳にて初めての結婚という事態に浮かれる新妻は、そんな隣人の警告には耳を貸さない
そして夫が帰ってきて、いまからその新居へ行こうと提案したところで話が終わる。

ええ、これはかなり分かりやすい話ですね。完成度高いというか、むしろ何でこれでバージョン2を作る必要があるのか?と思うくらい分かりやすい。
一体これ書いたのはいつごろで、なんでバージョン2にしたのか?と言うところが気になるところですね。ありがちすぎて、ウケなかったのか……?

スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー

上記のバージョン2。こっちはいつものシャーリイ・ジャクスン。つまりなんかわかりにくい。
結局、殺そうとしていたのは夫側ではなく主人公側だったのか?それとも、殺されたがっていたのか?

ストルガツキィ「ストーカー」その1

例のロシア産fps「STALKER」の原作

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)

ストーカー (ハヤカワ文庫 SF 504)


例のロシア(だったかな)産FPSゲーム「STALKER」の原作、と言うか原案。映画化もしているらしいから割と有名らしい気もする。

ロシアだからスタニスワフレムみたいに難解なのかと思ったらそうでもなく割りと面白い。

7つのゾーンが出現した。ノーベル賞受賞した博士によるとこれは地球外から地表へ向けて7つの弾丸が撃ち込まれたようなものだと。ゾーンの中では一見朽ちた廃墟に見えながらもそれまでの地球にはあり得なかった物理法則に従うお宝が出現し、それを目当てにストーカーと呼ばれる人種がゾーンに侵入し、品物を持ち出すようになった。
大体ここらの情報が冒頭で出てきてくれるので分かりやすい。
大体は、ストーカー「赤毛」の視点をメインに話は進んでゆく。

ジーン・ウルフ「書架の探偵」その1

ジーン・ウルフなのに面白い

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

ジーン・ウルフと言えば、ただでさえ意味わからんSFがさらに言葉遊びやら入り組んだ設定で読者をケムに巻くと言うイメージだったのだが、今回のはどういう訳か面白い。
最初に読んだジーン・ウルフ作品がよりにもよって「ケルベロス第五の首」だったせいもあるのだろうか。とにかく詰まらない作品を書く人と言うイメージだったのだが、どういう訳か今回は楽しめている。と言ってもまだはじめの方だが。蔵者が貸し出されて一晩経ったあたり。
訳者の違いか?ケルベロスの訳がアレだっただけなせい?
未来なのに変に建物が古風な感じがするのは、なるほどジーンウルフ「らしい」とは思えるけど。まあ、建築やらの技術が発展しても昔の造形を真似するのは今も同じだしなぁ。
今のところは面白いと文句なしに言える。先の展開がどう転がるかは何とも言えないけど。
表紙もなかなか良いのだけれど、早いとこ文庫版を出して欲しい感じでもある。USJとか文庫だとめっちゃ薄かったしな。

「墓標都市」その1

墓標都市 (創元SF文庫)

墓標都市 (創元SF文庫)

核戦争後の未来、地上を捨て地下に移り住んだ人々。そこでイーオンフラックスの主人公みたいな女刑事が捜査をする話。

正直な話、表紙買いなので、「名探偵登場」同様読み終われる確率が低くなってきた。
視覚イメージは浮かべやすいんだがなんとも長そうで。

小林泰三「わざわざゾンビを殺す人間なんていない」

「ジャンク」の焼き直し?

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

やけに長いタイトルですね。でもってなんか根幹に関わるような名台詞ってわけでもないので何でこんなタイトルにしたのか?と言う疑問符が浮かぶ

パーシャルゾンビという概念が出た時なんというか「甲鉄城のカバネリ」でも見たのかと思いましたよ。でも主人公の恰好はどっちかというとイーオン・フラックスみたいな格好してそうだけど。

うーん。内容としては、人間が死ぬとゾンビになるようになった世界(「噛まれたからゾンビになる」というだけではない)で起きた殺人事件。
まあ、なんかナンセンス系ですね。トリックもまあ、たしかに成立するだろうけど、知ったらガッカリする系。
世界観がセンセーショナルな割にオーソドックスな推理トリック使ってますしね。
いやまあそうじゃないとまずいのかな。最近の流行りなのかな。世界観は珍奇だけど推理部分はちゃんとしてるってのがなんかその手のマニアから高い評価受ける基準点らしいけど、まあ自分はそれより、なんか仮定だらけの話で三段論法してるみたいな感じだったからイマイチ話について行けずに「???」だった。流れは理解できたが納得はできないような。


設定だけなら非常に興味深い。
この世界のはプリオン的なタンパク質によってゾンビ化が引き起こされていて、死んで免疫系が活動しなくなると、この「ウィルス」がゾンビ化を引き起こす。
ちなみに全人類がこのウィルスに感染している。
ゾンビに噛まれるとそこから大量のウィルスが投入されて、それによってゾンビ化が引き起こされるらしい。

「谷崎潤一郎犯罪小説集」

結構薄いので割りと早く読み終われました。3日ぐらいで(多分)

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)

谷崎潤一郎犯罪小説集 (集英社文庫 た 28-2)


江戸川乱歩が影響を受けたと言われているらしい谷崎潤一郎の、ミステリー的、というか江戸川乱歩的な要素のある短編小説4篇を収録した本。文庫だが。表紙買いなのは否めない。
意外だったのが文体に影響受けてる程度のもんで実際は江戸川乱歩ほど完成されていないのでは?という感じだったんだけど、読んでみると意外にも完成度が高い。
江戸川乱歩の欠点であるへんちくりんなオノマトペを使った文章ではなく、それでいて陰葉さは伝わってくるという不思議な文章。乱歩が子供の文章だとしたらこちらはちゃんとした大人の文章という感じがする。

小林泰三「肉食屋敷」その2

「海を見る人」で小林泰三知った人に読んでほしい作品第一位

ジャンク

腐臭の小林泰三が遺憾なく発揮された作品。
ブラックジャックの鹿の話をウェスタンゾンビにしたような話。
とにかくグロと腐臭だらけで
あーなるほど、「獣の記憶」でやたら汚汁の描写に念が入ってたのもなんか、要するにそういうわけね。もともとそういうのがお好きな人な訳ね。と納得できる作品。
それにしても人の顔を体に埋め込んでるとかなんか「ゾンビパウダー」みたいだな。
声を失ったて辺りで人魚姫連想して余計にグロテスクさましまし。