- 作者: 海野十三,日下三蔵
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2016/11/19
- メディア: 文庫
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これまた妙なタイトルを表題作にしたなと思ったもんだが、意外に過去にこのタイトルで出たのは幾つかあるらしい。
ほむらそうろくの事件簿2に続いて今度は「火葬国風景」系の短編集。
意外に海野十三シリーズが続いているのにビックリだよ。もしや創元推理文庫で海野十三全集でも作るつもりなのか……?
ひょっとするとこの春来というのは、あなたの想像上の産物なのではないでしょうか?
数ページ読んで、あ、これ確実にイマジナリーフレンドの類だな……と思ってたのに、次の章では普通に他の人物から認識されていました。
でもまあ、登場人物3人中2人が空想上の友だったって例もあるので、まだ希望はあるはず。
でないとあんまりこの読んでるだけで気が滅入りそうな内容にスッパリとした解決法は見つからない気がするんだが。
テンプレートかも知れないが、驚愕のラストと言ったらこれを超えるものはないもんねぇ。
どうにも「星を撃ち落とす」と同じ作者の作品ということで買っては見たものの読み終えられるのか不安。内容は確かにこちらの予想を裏切ってくれるが。空想の存在かと思ったら実在してたとか、劇がラストに来るかと思ったら次の章では普通にやってるとか。
まあ、なんか文章がまずい。わざとやってるのかどうも場面場面で何かミスリードでもさせようとしてるのか妙な間隙がある。登場人物の動きが分かりにくかったり。登場人物が実在していないことを印象付けようとしているようにも見えるが。
どうも何か「夢見る宝石」じみてて好きじゃないなこの文章は。
そういや、「星を撃ち落とす」は文庫本では何か残念な表紙になっちゃったね。あのソフトカバーの絵に惹かれて読んだところもあるのである意味残念なことではあるな
読了
リーマスの作戦通り、東ドイツのスパイ・フィードラーは、リーマスからの聞き取りによりムントに対する疑惑を固めていく。
いよいよムントに対する起訴状を出せるという直前、リーマスとフィードラーは、ムントの部下たちに拘束される。尋問中、彼らの作戦はムントに筒抜けだった事を知るリーマス。
このまま尋問にが続くと思われたが、突然尋問部屋にやってきた兵によって尋問は中断され、ムントは拘束される。実は逮捕された当日、フィードラーは委員会へムントの逮捕を請求していた。そして数日たった今やっと評議会が動いたのだった。
危ういところで危機を脱したリーマスだが、ムントの容疑を審査するための裁判が行われるためその証人として法廷に出席する。流れはフィードラーの優勢に傾いていたように思えたが、ムント側の証人が呼ばれる。そこに現れたのはリーマスがかつてロンドンで関係を結んだゴールドだった。
弁護人の尋問により、ロンドンでの不自然な出来事の数々を喋ってしまうゴールド。これにより弁護人は一連の事象はムントを失脚させるためにCIRCUS側が仕掛けたものであり、その主犯はリーマスとフュードラーであるとの弁論を展開する。すべてが白日のもとに晒され、ゴールドを人質に取られた格好になったリーマスは、計画のすべてを話した。
裁判は一転攻勢、ムントの勝利に終わる。そしてムントのその表情を見た瞬間、リーマスはこの作戦の本当の目的を知るのだった……。
いやー、流石。一筋縄ではいかないストーリーでしたね。やっぱりそう簡単に終わらせない。
南京大虐殺に関する記述があってなんとも微妙な気持ちになりながらも読んでおります。ヘタするとこの部分の描写だけで全体駄作認定されかねないな…。なんとなく作者が韓国系アメリカ人って時点でなんか嫌な予感はしていたのだがやはり…。
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)
その名は、合衆国日本!
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
まあ、なんだ。「イーガンやチャンはわからなくても、この話は分かります」て帯が一番ふさわしいな。
最近SFが気になってる人は、グレッグ・イーガンもテッド・チャンも読まなくていいからこれを読もう。SFが分かった気になれるかは分からないが。(アシモフもハインラインも読まなくて良いんじゃねぇかな……)
1984年、原爆はアメリカに投下された。日本の人型兵器「メカ」と原爆により勝利を収めた日本。アメリカは分割統治され、東はドイツ、西は日本の支配地域となった。そして日本の支配地域は「ユナイテッドステイツオブジャパン」と呼ばれた。
そして40年後。ゲームプログラマーで、検閲官の石村紅功は、かつての上司六浦賀将軍から、その娘のクレアが死んだことを知らされる。
出てくるギミックとして面白いのは「電卓」。物語のメインの時代である1988年では既にスマホと同程度の機能を持っている。なおインターネットに類するものは「機界」と称されている。電話からの進化じゃなくて、電卓から進化したという系統のものだから名前が電卓のまんまなんだろうか?日本人が小型化したってことだからその名前持ってきたのか
なぜ、このタイミングで…?
なんにせよ新装版の異色作家短編集が絶版になってからしばらく経つし、肝心の異色作家短編集自体も高いのでこれは朗報だろう。
「寒い国から~」も読み終わってないうちから次の読むのか…