「ユナイテッドステイツオブジャパン」その1
その名は、合衆国日本!
ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
- 作者: ピータートライアス,中原尚哉
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/10/21
- メディア: 単行本
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イラスト的にパシフィックリムみたいなのかと思ってたけど、中に出てくるロボ「メカ」は、どっちかというと鉄人28号っぽい。なんせ第2次世界大戦中に使われて、日本の勝利を決定づけた機械らしいので、時代を考えるとそのあたりかなぁと。
内容意外に面白くて「高い城の男」よりちゃんとエンターテイメントとして優れている感じがするね。まあSFにエンターテイメント?って感じではあるが。
メリケンの書いた変な日本人と違ってちゃんと日本人らしい日本人が描けてるのも流石。というかまあ、この作者韓国系の人らしいからそれでかな。
登場人物が現代の日本人らしいかって言うとまあ、違いますがね。違った歴史上のだから違うの当たり前だけどね。
うーん。なんというのかな。メリケンの小説はメリケンにしか通用しない風俗みたいなのあるけど、そういうのが極力ないのよね。日本占領下だから当たり前だけど。
本当に外国人が書いてんのか怪しむレベル。一応早川が出してるからニンジャスレイヤーみたいな嘘外国人の作者が書いたものでは無いことは保証されてるはずだが。
まあ、なんだ。「イーガンやチャンはわからなくても、この話は分かります」て帯が一番ふさわしいな。
最近SFが気になってる人は、グレッグ・イーガンもテッド・チャンも読まなくていいからこれを読もう。SFが分かった気になれるかは分からないが。(アシモフもハインラインも読まなくて良いんじゃねぇかな……)
1984年、原爆はアメリカに投下された。日本の人型兵器「メカ」と原爆により勝利を収めた日本。アメリカは分割統治され、東はドイツ、西は日本の支配地域となった。そして日本の支配地域は「ユナイテッドステイツオブジャパン」と呼ばれた。
そして40年後。ゲームプログラマーで、検閲官の石村紅功は、かつての上司六浦賀将軍から、その娘のクレアが死んだことを知らされる。
出てくるギミックとして面白いのは「電卓」。物語のメインの時代である1988年では既にスマホと同程度の機能を持っている。なおインターネットに類するものは「機界」と称されている。電話からの進化じゃなくて、電卓から進化したという系統のものだから名前が電卓のまんまなんだろうか?日本人が小型化したってことだからその名前持ってきたのか