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「魔地図」その3

「旅立ちて 風」田中文雄

老人ホームに入った叔母に翻弄される話
「厭な話」系作品。萎びた老人の癖に猫撫で声を出すとかいう最高に気持ち悪い組み合わせ。
さらには主人公の叔母に対する恋慕的なものも伝わってきてひたすら読者を不愉快にさせてくれる。

「残された地図」菊池秀行

あの世の死者が地図を頼りにターゲットを決める話
また死者の行進ネタか
こんな駄作入れてて良いんだろうか?と思ったけど、次に収録されてる公募作品の評価を相対的に上げるために必要なんだろうな…

「ひろがる」坂本一馬

悪魔と取引して地図を広げる話。
特別賞とか技能賞とか言ってるだけあって、まあ、井上雅彦には価値が分かるんだろうみたいな感じの凡作。普通に凡作。

「わたしのまちのかわいいねこすぽっと」多岐亡洋

化け猫になった友人を倒す話
もちろん、これ目当てにこの本を手にとったのだが、これの一体どこに最優秀賞を取れるほどの魅力があったのかさっぱりわからない。どう見たところで高校生あたり向けの少女小説かなんかにしか思えないが。

「選考を終えて」

こういうのは大体において文芸批評的な意味のわからん言葉で書いてあることが多いんでスルーするけど、今回は読んでて意味がわかった。何しろ書いてある評価がまるきり作品と違うからだ。
評価されている部分の「二転三転する視野」も「文章が洗練され、都会的」も「現代の病根」も微塵も感じられず、選考委員の読んだ作品とここに収録されてる作品は別物なのでは?と思う。



総評としては駄作多いな。
読んでる途中では三つほど面白い物があったが最後の最後でテンション落ちた。あとまあ、全体的に面白いっていういつもの異形と違って駄作と傑作が割ときっちり別れてる。