フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』

早川書房異色作家短篇集はそれなりに惹かれるモノであるけど、値段が妙に高い(¥2,100)のと、ハードカバーのくせに幅が短い体裁なので非常に読み辛い。
それなら東京創元社の文庫本を買った方が手っとり早いし読みやすいし値段も安く住むんじゃないかと思った。
そこで創元推理文庫、創元SF文庫のフレドリック・ブラウン作品集との対応を取ってみました。

  • みどりの星Something Green -『宇宙をぼくの手の上に』「緑の地球」ISBN:4488605052
  • ぶっそうなやつら The Dangerous People -『世界短編傑作集5』「危険な連中」ISBN:4488100058
  • おそるべき坊や Armageddon -『天使と宇宙船』「悪魔と坊や」ISBN:4488605028
  • 雷獣ヴァヴェリ The Waveries -『天使と宇宙船』「ウァヴェリ地球を征服す」
  • ノック Knock -『宇宙をぼくの手の上に』「ノック」
  • ユーディの原理 The Yehudi Principle -『天使と宇宙船』「ユーディの原理」
  • シリウス・ゼロ Nothing Sirius -『宇宙をぼくの手の上に』「シリウス・ゼロは真面目にあらず」*1
  • 町を求む A Town Wanted -『まっ白な嘘』「町を求む」ISBN:4488146074
  • 帽子の手品 The Hat Trick -『天使と宇宙船』「帽子の手品」
  • 不死鳥への手紙 Letter to a Phoenix - 『天使と宇宙船』「不死鳥への手紙」
  • 沈黙と叫び Cry Silence -『まっ白な嘘』「叫べ、沈黙よ」
  • さあ、気ちがいになりなさい Come and Go Mad -『宇宙をぼくの手の上に』「さあ、気ちがいに」

一部はhttp://homepage1.nifty.com/ta/sfb/brown_f.htmから参照
ほとんどが『天使と宇宙船』(5編)と『宇宙をぼくの手の上に』(4編)に収録されてますね。あとは『まっ白な嘘』(2編)か。
この三冊を既に持っていてこの短篇集を買ってしまった方はお気の毒様。星新一訳が読みたいから良いんだ!と言うのなら問題はありませんが。
それにしても、原本では『まっ白な嘘』に収録されてる「危険な連中」が『世界短編傑作集5』に収録されてるからって『まっ白な嘘』から割愛されるのはどう考えても気に入らない。そもそも「某に収録されてるから割愛」って言ってもその某が絶版になってたら結局読めないわけだし。
別の本買ったら既に読んだ事のあるモノばかりだったという誹りを避けたいが故の措置なのか、それとも単に「某に収録されてるから」といえばその本まで買ってくれるだろうと言う目論見なのか
ちなみに創元*文庫でこの作品集のモノを揃えようとすると756+840+924+693=3,213円かかりますね
『世界短編傑作集5』がいらないなら756+840+924=2,520円
『天使と宇宙船』と『宇宙をぼくの手の上に』だけで良いのなら756+840=1,596円

*1:SiriusとSeriousをかけてるのかこれは?