良くこんな物が受けたものだ
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 文庫
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というのが第一印象。
なにせジャンルがSFである。あの現実を一切見ることのない、常に虚構のみに彩られているジャンルにこんな生々しい戦地の描写など盛り込んで大丈夫なのだろうか?と言うより、輝かしい未来像しか提示せず、そうやって清潔で、人間の性善説を信じて、より理性が高次の段階になれば争いはなくなり、人々は穏やかな生活を送れるなどと無邪気に信じ込んでいる話を好む連中にこの話が受けるのだろうか?
ちなみに自分的に受けた印象はこの作者海外FPS系のゲーム好きそうだなぁと言うこと。若干未来的な軍事アイテムと、相変わらず人間が戦争に従事していると言うシチュエーションとか。
要するにSF的要素というのはこの手のゲーム要素を現実的に成立させるために存在していると言っても過言ではない気がする。
とは言っても思いつくゲームはSTALKERかBattleFieldぐらいだが。
- 作者: アルカジイストルガツキー,ボリスストルガツキー,深見弾
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/09/05
- メディア: 文庫
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まあ、ネット上の発言で一番声がデカイものと言えばゲーマー連中のものだから、そういう連中の支持を得られれば、上位層の支持がなくても売れるのかもね。「オーバーロード」的な。
まあ、内容はとにかくグロい。最初から死体のオンパレードである。
小林泰三とか田中みたいなB級なグロテスクさと違ってそこには残酷さがある。
痛快なのは、大国対大国あるいは帝国VS共和国みたいな古臭いSF的な世界観ではなく、現実世界と地続きになっていそうなテロVS国家と言う世界観を持ち出しているところですかねぇ。まあみんなもいい加減飽きてきてたんだろうね。だから受け入れられた感はある。とは言え、3.11が起こったから今度はそっちがトレンドになってる印象もあるが。とは言え現実のアメリカを見ているとまさにこの小説のようなアメリカ至上主義の路線を進んでいるように見えてゾッとしてしまうこともある。