「ルーフォック・オルメスの冒険」その1

ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)

ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)

結論から申しますと

げにつまらん。


期待してた割にこれかという……
しばらくはもう少し読み進めれば面白くなるかと思ったんですがどうにもならないですね。
小林泰三のテケテケVSメリーさん並につまらない……。なぜこんなにつまらない事になっているのか理解できない…同じ翻訳者の機械探偵はそれなりに良かったのに、これは新青年傑作選に載ってたのとは比べ物にならないほどレベルが低い……。何が悪いんでしょうね。つまらなさに気分が悪くなりそうです

続編

あの「アリス殺し」の続編「クララ殺し」が出てたらしい

クララ殺し (創元クライム・クラブ)

クララ殺し (創元クライム・クラブ)

何そのひねりのないタイトルは‥‥‥。というか、あの世界観で続編って可能なの‥‥‥?
立ち読み分を読んでみると登場人物にあるのはあの「砂男」の登場人物の名前を冠したキャラクターばかり。
ということは、このクララってのは、立っちゃう方じゃなくて、ナタナエルの幼なじみの方のアレですね。
おまけにマドモワゼル・ド・スキュデリなんて名前もある。

黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ (光文社古典新訳文庫)

黄金の壺/マドモワゼル・ド・スキュデリ (光文社古典新訳文庫)

随分おあつらえ向きだなぁ‥‥‥誰向けなんだろ。
図書館には未入荷の上、「アレの続編」ってことで買うかどうかもまだ悩んでる段階ですがまあ、

「コンピューター人間」その1

おばあちゃんではない。

コンピューター人間 (創作子どもSF全集)

コンピューター人間 (創作子どもSF全集)

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子供の頃のトラウマ本。自分がSF嫌いになったのは間違いなくこいつのせい。
当時学校の図書館にはシャーロックホームズシリーズ除けば読みたいと思える本がろくになかった。あるのは、岩崎書店のホームズ、ポーがメインの怪奇小説。怪傑ゾロリ、王様シリーズ、海外SFミステリ傑作選、そしてこの創作SFシリーズ。
青い鳥文庫とかは無かったのかな?あったかもしれないが、どっちにしろああいう教科書臭い本を好んで読もうという気にはならなかったのだろう。

子供の落書きの様なグネグネ曲がった絵に生理的嫌悪感をもたらす配色。これが、「創作子どもSF全集」というシリーズだったことに驚きを覚える。どう考えても子供はこんなもの好んで読まないだろう……。子供にトラウマ植え付けたいんかお前はと言いたくなる。


ミステリ系やら冒険SF系が好きだったので怪奇小説系には表紙も相まって気味悪さを感じてロクに読まなかったが、これはそんな怪奇小説とも毛糸の違う不気味さがあった。怪奇小説の表紙は不気味さはあっても絵としての静謐さ完成度の高さみたいなものがあったからなんとかなったけど、これにはそんなもの皆無。本当、企画した奴の頭の中身を疑いたくなるシリーズ。当時はSFがブームだったらしいから、「ワイらも流行りに乗って適当に作家かき集めてきてひと儲けしようぜ」って魂胆だったんでしょうなぁ……。

内容は、まあ、マージナルオペレーション漫画版の一巻の子供版?みたいな?
優秀な兵隊を作るべく(推定)遺伝子操作によって特定の命令を完全に受け入れる特性を持った子供がある年一斉につくられた。10歳辺りまで育った後、里親から引き離され、施設に移された主人公たち。だが主人公は記憶消去命令が効かなかったことで失敗作と認定される。
工業製品かなんかみたく扱われる子ども達というのは、大人から見るとかなりグロテスク(文学的比喩)な代物ではある。こんなもの子供に読ませようと思う事自体どうかしてる。

作者が子供嫌いの念をぶつけた小説と言われても納得しそうである。
ちなみに作者名で検索すると、名著を子供向けに翻案してる人のようで……ああなるほど。かくあるべしといった感じ。
そんなわけであまりの嫌らしさ、というか悪意っぷりに耐えられなくて途中で挫折して読んでなかったのだが、復刊ドットコムで復刊したというニュースで「全巻揃ってなんとたったの四万円でのご奉仕!」とかやってたんでアホかと思って図書館から借り出してきました。

子供の頃読んでもいやな本でしたが、大人になって読んでも嫌な本ですね。全方位に悪意まき散らしてる系。

「超訳ラヴクラフトライト2」その3

やっと読み終わり

超訳ラヴクラフト ライト2

超訳ラヴクラフト ライト2

なんか今回悪いところがうまくフォロー出来てない感
ラヴクラフトの悪いところと言えば

  • わかりにくい文章
  • 不自然にビビる登場人物
  • やたら説明調
  • 死に際まで手紙書いてる不自然さ
  • やたらと多用される、なんだかよく分からない「冒涜的」という言葉

まあ、1巻あたりでは上手いこと日本語に置き換えてるなという感じはしたのだが、今巻になると面倒くさくなったのか原作そのまんまな所が多いっすね。
明らかに偽造だって思えるタイプライターの手紙に突っ込み入れてるのは良いんだけど、結局なんだかんだ理屈こねくり回して納得しようとしたり。なんだかホラー映画の登場人物並に頭が悪い行動を取ってたりする。結局まあ、作者がうまいこと不自然に感じられない行動を思いつけなかったんでしょうなぁ。常識的に考えたらタイプライターの手紙来た時点でもうそこで話終わっとけよって気がする。もうその時点で充分怖いよ。
エイクリィ円筒と会話するエンドが陳腐だから辞めたみたいなこと書いてあるけど、頭と手足だけ置いているのは良いの?むしろそれはお笑いの領域じゃない?冷静に考えたら笑うとこだと思うわ。「デッド・サイレンス」とかいうクソ映画思い出すから余計に。

3が6月末に出るようだけど、大丈夫なのかね。

「超訳ラヴクラフトライト2」その2

長い

超訳ラヴクラフト ライト2

超訳ラヴクラフト ライト2

なんか、思ったより読むのに時間かかってる印象。
元からそんなに長かったっけ?
偽の手紙に騙されてバーモント州くんだりまで出かけて、エイクリィ氏の家で喋ってるあたりまで。
まあ、脳取り出して宇宙旅行とか、今時のSFじゃ充分有り得そうなギミック過ぎて何をそんなにビビっているのやら、と言う感想も思い浮かぶ。ラヴクラフトにサイボーグとか描写させたらどんなことになるのやら。
と言うより、この頃って星間旅行するようなSFって無かったんかね?

なんとなく、SF映画でエイリアンみたいなホラーが出てくる下地みたいなのが理解できた気がする。向こうじゃSFつーのはラヴクラフトのお陰でホラーとして扱われてるんじゃなかろうか。
日本だとクトゥルー神話は浸透してないからひたすら脳天気に技術の進歩と冒険ものがSFって感じだが、向こうではクトゥルー神話の下地があるからSFはホラーとして成立するわけね。

「超訳ラヴクラフトライト2」その1

這い寄らない混沌

超訳ラヴクラフト ライト2

超訳ラヴクラフト ライト2

表紙の円光してそうなjkは誰なんやろと思ってたら、またもやプロローグの導入役のナイアルラトホテップ。よく見たら髪飾りがまたもやトラペゾヘドロン。君はアウターゾーンの案内役かなんかか?
今回の内容は闇に囁くもの。
追加キャラとして主人公の講座の学生が新たに追加されています。
民俗学の内容についても現代風に説明してあるので助かりますね。
前回の1のダンウィッチの怪についても、当時の差別主義的な価値観ではなく現代的な価値観持った主人公を投入しているというのはなんとも有難いですね。

前に創元推理文庫で読んだ時のストーリーは、覚えてる限りだと、写真に映らないカニ星人が云々という手紙を貰って、しばらく文通してたらいきなり人が変わって、こっちに来いと言い出したので行ってみたら、呼んだ当人が実はカニ星人に脳取り出されてましたって話だったような。
まあ、今回のはそこまで眠くなる話でもないかな。なんだかんだ言ってクトゥルーの呼び声とかナイアルラトホテップとかカダスとかそこら辺が意味不明だからな。インスマスとか魔女の家とかあたりのゴシックな話はわりかし分かりやすい。(先に永劫の探求読んでたせいかもしれないが)

ちなみに後ろの広告にラヴクラフトライトの「3」が3月に、「4」が4月に発売予定と書いてあったんですが、5月も終わるというのに出る気配すらないですね

「刺青の男」その2


火の玉

なんかこういう宗教談義って本当に本気で言ってんのかおちょくってるだけなのか分からんので反応に困るのだが。