アレクサンドル・べリャーエフ「ドウエル教授の首」その1

ドウエル教授の首

ドウエル教授の首

創元SF文庫版が復刊したと聞いて読んでみたくなったものの、あいにくとAmazonでは取扱なし。

ドウエル教授の首 (創元SF文庫)

ドウエル教授の首 (創元SF文庫)

どうやらこの復刊は特定の書店でのみ行われているフェアのようなので、Amazonは初めから席ね~から状態なんでしょうな。

ていうか、まあ持ってはいるんですけどね。
で冒頭ちょっと読んでみたけど、あんま面白そうじゃないんで、未知谷版の方を読むことにしました。第一創元社版はすでに読んでいるはずだしね。

初めて読んだバージョンは「いきている首」だったか「合成人間ビルケ」だったかは覚えていないが、とにかく子どもの頃に読んでいたもの。
しかし不思議なことに今読んでも面白い。というかまあSFなるものとはそういうものなんだろうね。要するに最近は面白いSFがないなんて言ってる人がいるとする。じゃあそいつの面白かったSFって何かというとこれが子どもの頃に読んだ思い出のSFということになる。つまり、我々が楽しいと思えるのは結局そのレベルのものが大半であって変に小難しいものを読んだところで楽しくはないということ。
あるいはそう、結局名作と言えるものは子供向けであっても鑑賞に耐えうる出来になっていると。

ストーリー

おなじみ、首だけにされたドウエル教授が登場する若干ホラーじみたストーリー。
主人公のローランがケルン教授の助手として採用され、ドウエル教授の首と引き合わされたところからストーリーは始まる。
結局なんやかんやあってケルンの悪事は暴かれる。


最近抄訳版読んでたから、また同じ話読むのだるいなとか思ってた割にスラスラ読める。
やはり完訳は抄訳版とは違うのか、あるいは話自体が面白いのか。
抄訳版と違うのは実験台になってるのがビルケ(作中では「ブリケ」)だけでなく男の方もいるってことですかね。創元社版でもここは同じ。当たり前だけど。
今のところは「死せるダイアナ」あたりまで。ビルケにつなぐ体探してるあたり。割りと序盤なのに結構佳境に入っている気がしますね。このあとなにやるんだろうね。

海野十三「火葬国風景」その1

電気風呂の怪死事件

井神陽吉行きつけの銭湯「向井湯」には電気風呂が設置されていた。ある日いつものように特に好きでもない電気風呂に入っていたところ急に電圧が増して感電。哀れ陽吉は風呂の底に沈んでしまう。職人風の男と学生によって風呂の底から引き上げられ警察もやってきたが、女将が女湯の様子を見に行くとなぜか女の死体が。
もしやと思い三助の由蔵を探すが、その由蔵は死体となって天井裏で発見される。

前に読んだ事はあったのだが確か女装野郎が犯人だったって以外は特に覚えてなかった。
まさか殺した女の服着て堂々と出て行ってたとは……
電気風呂の怪死事件なんて書いてあるから電気風呂で感電した奴が死んだのかなと思ったらこいつは死んでなくて、隣の女湯にいた女性客が吹き矢で殺されるという‥‥‥。さらにその上から血が降ってきているのを発見して天井を見上げると血のシミ跡。三助の部屋の押し入れの天板から天井へ入りそこでさらに三助の死体を発見するという。
なんとも複雑怪奇っぷり。
どうでもいいけど女湯には3人ぐらい客いたはずだがそいつ等どうしたの?見張りの警官立たせてて誰も帰さないようにしてたみたいなこと書いてたけど。警官来る前に帰ったのか?
犯人は不審と思われて非常線張ってた警官に捕まったってことはやっぱり分かる程度の女装だったのか?でも銭湯のおかみさんには素っ裸でもバレてなかったよな。どういうこと?

海野十三「蠅男 名探偵帆村荘六の事件簿2」

www.tsogen.co.jp

なんか第二弾が出るらしいですよ。
そんなに売れ行き良かったのかな…。
もしやシリーズ化するつもりなのか?

まあ、青空文庫で読めるようになってた辺りからのファンにとっては大変喜ばしいことではありますね。
じゃけんドンドン買いましょうね~
俺?俺は良いよ…
なんか良い広告塔に使われてない?大丈夫?
まあヴェンデッタを再販しない時点でこんなトコ見てないか…

収録作は以下の5つ。

  • 「蠅男」
  • 「暗号数字」
  • 「街の探偵」
  • 「千早館の迷路」
  • 断層顔」

図書カード:蠅男
図書カード:暗号数字
図書カード:街の探偵
図書カード:千早館の迷路
図書カード:断層顔
いずれも青空文庫で読めるんで予習しておくとド嬢見たく「ああ、これ先に青空文庫で読んじゃったからなぁ~」って反応できるかもしれませんぜ。

「塔の中の部屋」E.F.ベンスン その1

うーん。普通。

塔の中の部屋 (ナイトランド叢書)

塔の中の部屋 (ナイトランド叢書)

なんかこうさ、怪奇小説傑作集とかに入ってる小説みたい。でまあ、詰まるところ、つまんないかといえばそうとも言い切れないようなそんな感じ。
怪奇小説傑作集ホントつまんないんだけど、表紙絵が良くて見かけるたびに買ってたのにいつの間にかダサい表紙になっちゃったね。流石にあれは買う価値無しでは…?

怪奇小説傑作集 1 (創元推理文庫 501-1)

怪奇小説傑作集 1 (創元推理文庫 501-1)

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)


異形コレクションとかは好きだけどこういう純粋怪奇小説系は苦手だな。
何でこれに恐怖感じちゃうの?系な話が多いというかワケの分からん話が多いからなぁ。

塔の中の部屋

いきなり表題作。
塔の中の部屋へ案内される夢に悩まされていた主人公が、現実でも塔の中の部屋へ案内される話。オチはよくわからない。結局なぜあの夢を延々月一とかで見続けていたのかとか。魔女の呪いってだけ?予知夢?
その部屋に飾ってあった絵の魔女が墓穴から還って主人公を襲おうとするが失敗。

アブドゥル・アリの墓

ナイルのほとりにて、友人の遺産を横取りしようとする黒魔術師の話
結局アブドゥルがアクメトに最期を看取らせたのは何でだ?というか、最期を見とったのにアクメトが財産のありか知らないのは何で?

読書の心理

最近どうにも厭な疲れ方してて、本を読んでいても仕事のことなんかが頭に浮かんできて楽しくない。楽しくないなら読まないで良いのでは?とそんな事を考えて本を読まなくなってる気がする。

昔は本を読むなんてのは一種の苦行で、楽しくないのが当たり前。本を読み終えることこそが至上目的で、楽しいかどうかはどうでも良いなんて考えていたんですが。「読んでて楽しいとか楽しくないとかそんなことはどうでもいい。とにかく読むんだ」と言う感じで、読まないと正気を失うとでも思っていたのか。多分そうでしょうな。何しろ酷いとこに住んでましたからな。
あんなゴミみたいな、人がゴミのように多い土地で正気でいられるほうがどうかしてる。
それで横浜を離れて余裕が出来たのは良いのだが、まともな感受性(本を読んで楽しいと思えたりとか)なんぞ戻ってしまうと仕事なぞまともに出来なくなりますわな。
恐らくそこら辺でしょうな。なんか妙に疲れるのは。
寒さというものはある点を超えるとそれ以上寒いとは感じなくなる。それと同じ。寒さを感じる感覚が生きている時点が最も辛い。心が死んでいれば何も感じなくなると言うアレ。とは言え客観的にこの状態を知るのは難しいでしょうな。何しろそれを測るのが自分自身であるわけだから。

夢野久作「少女地獄」その1

なぜ、今更そんなものを…?

多分、東京創元社から出たことに意味があるんだろう。 今まで角川文庫でしか入手出来なかった(とはいってもネット上ではいくらでも読める訳だが)少女地獄が他の出版社からも入手できるという。

収録作品は、

  • 死後の恋
  • 瓶詰の地獄
  • 氷の涯
  • 少女地獄

うーん、瓶詰と少女で地獄が被ってしまったな。
ちなみに収録作品のうち2つは同社の「日本探偵小説全集」に収録されている。収録作品かぶりを気にしなくなったのはいい事なのか悪い事なのか……。
まあ、解説で「ホンマは入れたい傑作あったんやけど、ウチの出版社から出てる傑作集と収録作品被るから辞めたわ。じゃあの」とかやられるよりマシなのかもしれんが。昔はそういうの見る度「ふざけんな」って思ったもんですが。
昔に比べると、収録作品被りがあっても気にせず買うと言う余裕のある人が増えたのか、逆に余裕なくてどれか一冊しか買えないって人が増えたのか……。後者はないかなぁ。だって1080円だよこれ。
まあ、知ってる人にはあんま有り難みも何もない本よね。大体、日本探偵小説全集の夢野久作集自体が1200円と考えるとかなり微妙。
持ってない人向けとか、新規向けなんだろうか。ド嬢で紹介でもされたか?
まあ、図書館とかはまず仕入れない本(地方の図書館なんかは同名の本があったら収録作品が異なってても仕入れない)だから図書館狙いではなさそうだが。
ただまあ、角川とか現代教養文庫とかの不気味通り越して気持ち悪い表紙に比べると大分マシではあるだろうけど。

少女地獄 (1976年) (角川文庫)

少女地獄 (1976年) (角川文庫)

取りあえず、そろそろ日本探偵小説全集値上げしそうだから早めに買っとくかな。

日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (創元推理文庫)

日本探偵小説全集〈4〉夢野久作集 (創元推理文庫)

死後の恋

おなじみ男装女子がレイプされて宝石打ち込まれて死んだ話。
大筋ではあってはいるもののなんか昔読んだのと若干記憶が異なる。
仲間が森に入ってから、語り部が森に入ったのは割とすぐだったような気がしていたが、実は夜になってからだったらしい。ついでに先に入った仲間達は気に括り付けられて拷問されていたそうな。男装女子は腹部に宝石撃ち込まれて死んだと思ってたけど、首吊るされていたところからすると死因は絞殺ですかね。
敵軍に紛れ込んでいた男装女子をレイプして吊るして殺して下腹部に持ってた宝石を撃ち込む。う~ん、悪趣味。ロシア人的には普通のことなのかな。
そもそも女性が男に化けて軍隊に入り込んでバレないなんてことはあるのだろうか……?ロシア人は風呂入らないのかな。
それとも、そんな疑惑すら起こらないほど男らしい顔立ち体付きしてたのか
何にしても最後の「ああ……アナスタシヤ内親王殿下!」は相変わらず謎。話しかけていた日本軍人と、殺されたロシアの皇族に何の関係が……?

買った本

正直失敗したな。
今月あるいは先月のものです

機械探偵クリク・ロボット

機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

機械探偵クリク・ロボット〔ハヤカワ・ミステリ1837〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ルーフォックオルメスが酷すぎて相対的に評価爆上げしたので。
文庫本はなんか字がでかくてあんま買う気にならなかった。と言うかなんだこの表紙は…買わせる気あるのか…

ハイ・ライズ

何度目だバラード。表紙につられて買うのもええかげんにせぇよ。

幽霊海賊

幽霊海賊 (ナイトランド叢書)

幽霊海賊 (ナイトランド叢書)

小口が研磨されてないの見つけてやった!と思ったら、底のほうが研磨されてたという…せめて一年は研磨すんの我慢しろよ

エイルマー・ヴァンスの心霊事件簿

エイルマー・ヴァンスの心霊事件簿 (ナイトランド叢書)

エイルマー・ヴァンスの心霊事件簿 (ナイトランド叢書)

同ページ数の他の本に比べるとどうも高いな…、異色作家短篇集よりはマシかもしれないが。

ラヴクラフトライト3

超訳 ラヴクラフト ライト3 インスマスの影

超訳 ラヴクラフト ライト3 インスマスの影

流石に買うの早すぎた。全然読む気にもならないで放置中。
このシリーズ知ってから買うまでが時間かかったせいだな。
次出たら買おうか買うまいかとか悩んでるけど、そろそろ終わりそうよね。読みやすいのは良いから読みにくい狂気山脈辺りとか早めにやってほしい。シリーズ中断する前に

中継ステーション 新訳版

珍しいことにクリフォード・D・シマックだ。
何年ぶりなんだろうな早川からシマックの本が出るの。20世紀SFの短編は面白かったんだが……。その後色々読んだがそこまでのもんでもなかったな。長編はホラー臭い表紙の「都市」ぐらいか。この本も一応持ってはいるのだが、表紙が良さげになっていたのでついつい。ちなみに読んだことはない
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前のバージョンはなんか不気味だった
中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)

中継ステーション (ハヤカワ文庫 SF 265)

ジャックリッチーのあの手この手

ジャック・リッチーのあの手この手

ジャック・リッチーのあの手この手

名作とは言い難い気がするか、持ってて損はしないだろう。多分。表紙もまともだし。

ジャックリッチーのびっくりパレード

ジャック・リッチーのびっくりパレード (早川書房)

ジャック・リッチーのびっくりパレード (早川書房)

読んではない。まあ、ネームバリューと表紙よな。

大体において本なんてものは実際内容読んでみて、それで手元に置いておきたい気になったら買うのが正当よな