完全・犯罪

完全・犯罪

これまた「完全・犯罪」の意味がなんとも


過去に戻って自分のライバルが対抗論文を発表する前に消してしまおうという話。
なんか、「タイムマシンの殺人」を思い出すような話ですねw
下のも合わせて微妙にそういう異色短篇集とかにありそうな話が多いね
勿論こっちはいつも通りの笑い話オチだけど
一体どうやってタイムトラベル実現させてるのかさっぱりだったけど、まあ、そういう所をちゃんと描くところが小林泰三らしさというか。
過去は変わらないが、未来は変わる、そして過去・未来は観測者の主観によって決められるという「酔歩する男」で聞いた事のある理論ですね。タイムパラドックスを発生させない理論ではあるけど、漫画やアニメじゃ実例として幾つもあるパターンだよね。本来なら自分の記憶も書きかえられて、既に殺した事やそもそも殺そうとした原動力になったはずの論文の記憶すら消えてしまうはずなのに。

自分が過去に行ってしまった時点で「現在」は「未来」となり不確定となる。

過去を変えてしまった場合、自分は変わらないが、自分以外のものは変わってしまうという。そういうのばっかりだよね。
逆にそういう漫画とかで描かれているタイムパラドックスを成立させるために考えだされたのかな、これは。

ロイス殺し

アメリカの酒場で飲んでいると、酔っ払った男が話し掛けてくる。なんでもここの酒場の二階で自殺騒動があり、自分はそれに関わっていたのだと。
というなんか、海外の短編とかでありそうな展開。異色作家短篇集とかで。
あんまり最後の一行で吃驚するとか言うモンではなかったが。
それにしても、顔で見わけ付かない人種を名前で差別するとか、まあ、「北」的なアレだね。それとも、単に「自分を見て欲しいんなら名前変えればいいじゃねーか」という話なのか?ユダヤ人差別はナチスドイツだけだと思ってる人にそういう事実を見せたかったのか。あるいは、日本で行われているようなことは既に世界でも行われているのだがという話なのか。
ま、どうでもいいことだろう。なんにしてもしつこいぐらい作中語られてるからね。ただ北の人はまともに日本語喋れないけどさ。ユダヤ人はまともに英語喋れるだろうけど



それにしても、「悪霊」うんちゃらは分かるけど、結局何処でそうなったのかとかが色々謎だ。

本格ミステリ黄金期の巨匠J・D・カーの傑作『火刑法廷』に連なる壮絶な復讐譚「ロイス殺し」

なんて紹介されてるとこ見ると「火刑法廷」読んでなきゃわけわからん話なんかね?
語り部は27年前に村を出たとか言ってるけど、ロイスは10年前に出たと行っている
語り部はマリーを殺されたといっているが、ロイスはマリーを殺していないと行っている

P62の、自分から食料分けてくれとか言ってたくせに、何かエスキモーに追い出されたみたいな事言ってんのは何なの?