フレッド・カサック「殺人交差点」

殺人交叉点 (創元推理文庫)

殺人交叉点 (創元推理文庫)

収録作は「殺人交差点」と「連鎖反応」
殺人交差点は再読。
以前読んでいてたしかにその仕掛けに驚いたものだが、種知って読んでもさほど違和感を感じさせない。が、まあ、なんというか、大したこと無いなという印象は拭えない。よく日本語にうまく訳せたものだと思う


「連鎖反応」は完全にユーモアミステリー的な代物ですので「殺人交差点」的なトリックを期待して読むと肩すかし食らうので続けて読むのは良した方がいい。
愛人から子供出来たからと言われて養育費を請求されて、なおかつ別の女との結婚を控えている男の話。その子供って本当にお前の子か?と言いたくなるけど、そこはよほどその愛人を信用しているのか疑いもしないし、金払わずに見捨てることもしない。
そんな状況で金を得るには上司殺して自分がその後釜に座れば給料アップ間違いなし!という理屈で殺人計画を練るというのが主な筋書き。間抜けすぎて何も言えねぇ……。
まえがきの時点で落ちは見えてるので大したことはない。なんか「ライノクス殺人事件」が雰囲気的に一番近い。「今さらこんな手垢のついたネタやるのか?」という点と、それを本当に自分が初めてやったかのようにドヤ顔で書いてそうなあたりが。というか、結構昔の作品なんでもしかしたらこれ系書いたのこの人が初めてかもしれないけど