- 作者: 小林泰三
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2003/09
- メディア: 文庫
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なんか読み返して見ると、どうも他の作品集に収録されなかった味噌っかすが収録されてる様な感じですね。
『海を見る人』や『天体の回転について』と比べると「もうちょっとマシな作品収録できたんじゃないの?」と感じてしまう。
目を擦る女
今の世界は自分の見ている夢だと主張する秋山八美の隣に引っ越してきた夫婦?の話
珍しく表題作が最初にきてますね
超限探偵Σ
Σと呼ばれる探偵の活躍譚
いわゆるバカミス
脳喰い
太陽系外から、球体の宇宙船に乗ったエイリアンがやって来た。彼らは太陽系の辺境にある宇宙ステーションA3を襲い、従業員の脳を食っていた。
巨人脳とか、こんなグロテスクな描写あったんだね
今見ると、クトゥルー神話の「脳を食う怪物」(F.B.ロング)に似てる
空からの風が止む時
重力が減衰して行く世界で、来るべき時に備えて、宇宙船を作る話
特殊な世界で「ストーリーだけ進めて設定的な部分が全く明らかにならない」と言う小林泰三に有りがちなモノではなく、はっきりこの世界についての正体が明らかになってます。
刻印
蚊と人間の間に子が生まれて吸血鬼になった話。
うん…これは…うん…
流石にないわと思った。
まあ、仲良くなろうとするのは良いが、流石にSEXはするなよと。読んでて怖気が走る。
ていうか、流石にこれ洗脳されてないか?あそこまでして守る理由がわからん。
それにしても、
人間と蚊の勾配で生まれた人類が知能を持ち、最初は蚊の影響で吸血鬼だったが、段々と吸血能力が退化して行った。そして、現在吸血鬼と呼ばれているモノは、先祖返りを起こした人間である
という、この設定が小林作品の共通設定だとしたら、「ネフィリム」の吸血鬼が超常の力を持ってるのは何でだろうね。まあ、あっちの吸血鬼とは関係ないんだろうね
未公開実験
丸鋸遁吉に呼び出された三人は、遁吉に今度こそタイムマシンを実証してやると息巻かれる。
そう言えば、『忌憶』で二吉なる人物がいるけど、遁吉とは関係あるのかな。
なんかの話で、自分の身体を肉に変える実験やってたのは、ここで遁吉が過去の自分に送った手紙の影響でしょうな。
それにしても、21世紀まで将軍制だったって事は、この時点では22世紀ぐらいと考えて良いのかな。
それにしても、仮想現実ネタばっかりだと飽きられるぞ
まさにその通りw
でも、次の作品も仮想現実ネタなんだから、この作品は最後にしといたほうがよかったかもね。
予め決定されている明日
算盤で計算するのが嫌になったケムロは、自分の計算の中にいる仮想現実世界の人間に協力してもらい、電子計算機で計算を楽にしようと思った。
前に仮想現実ネタばっかりだと飽きられるぞとか言ってた癖にまた仮想現実ネタか!
よくわからん話でしたな。
まあ、なんか最後電波な感じになっちゃいましたね。
あんだけ世界の計算しときながら、パソコン使って計算した分で計算量が増えるというのが納得いかんが。
そもそもω次元でやってるプロジェクトとは一体なんなのか?
ケムロってのが名前からしてカエルみたいな容姿を想像したんだがあってるのかな。