「R.E.D」その2

時代劇でもやってんのか?

女性の描写が麻生幾並みにきっついなと思ってたけど、肝心の悪人の描写も時代劇の悪代官そのまんますぎてきっついな。冒頭の描写からアニメの脚本用に書いたのを転用したのかと思ったけど、流石になろう以下のラノベ風な文章に耐えるのはなかなかきつい。勢いはあるから読めないことはないんだけど、数ページごとに限界がくる。あんまり文章書いたことがないから変な冠詞や流しで誤魔化してる感じがする。
ところで作中登場する「警察庁図書館」は単体で本出てるみたいだけど、世界観同じだとしたらこの攻殻みたいな世界なのかね。

ヒクイドリ 警察庁図書館

ヒクイドリ 警察庁図書館

にしてもこの裏表紙のあらすじや表紙に対して中身はずいぶんふざけているというかバカバカしさがあるというか……。少女攻殻機動隊SAC。と書けばそのばかばかしさが伝わってくるかもしれない。いやないかな。いいとこコードギアスNoNのエデンバイタル教団実行部隊
どちらにしろ、新潮社nexだからな。あの江戸川乱歩の少年探偵団文庫版に誇大広告としか言いようのないあらすじかいてるからな。あてにならん。

「R.E.D.警視庁特殊防犯対策室」その1

むちゃくちゃ文章が読みづらい


あらすじ読んだ限りだと、近未来版「首都警」シリーズ、ただし首都は名古屋。みたいな感じ

作者の経歴はご立派なのだが、それが小説に生かされているかは怪しい。ライトノベル的な読みにくさというよりも「外事警察」みたいなドキュメンタリー系書いてる人が小説書いたみたいな分かりづらさが有る。
さらに、やたらと改行しまくる、登場人物の思考を()で囲う、無駄な「──」の多様
と、文章ラノベに寄せてきてるのが最悪。
素でやってるのか、編集辺りにこうしろとアドバイス受けたのか、「こうしときゃ読みやすくなるだろ?」みたいな安直な考えでやってるのか。

表紙で気になって手にとってはみたが、読み切れる自信は全くない。主人公ぽいのがセーラー服着た不死者っぽい設定なのも割ときつい。「BLOOD」かよ……

講談社のタイガ文庫はあんなんでも中身それなりにまともに見えたがこっちは無理そうね

追記

二章辺りまで読んだが……
攻殻機動隊S.A.C」かよ……。インターセプトされてるやん、目盗まれてるやん。笑い男かよ。
ウィザード級ハッカーとか言われてた辺りからもしやとは思ったが
て言うか、電脳化してるわけでもないのにどうやって人間ハックしたんでしょ?
何やら超能力じみた能力使ってるみたいだけど。こうなると一番怪しいのがいきなり登場した巡査ですかね……

小林泰三「人外サーカス」

変わったミステリ系かと思いきや妖怪退治系だった

人外サーカス

人外サーカス

あらすじには、人ではない吸血鬼がどういうわけか怪力でねじ切られて殺されていた。という謎が主軸のミステリーチックな作品であるかのように書かれているが……
実際に始まったのは「未来妖怪」にあったようなパワードスーツ着て吸血鬼退治する連中の話だった。
結局吸血鬼狩りの組織の連中は、対象を取り逃して、代わりに別のサーカスの連中が吸血鬼と戦う羽目になるという話。
本当に謎解きじみた解説が始まるのは最後の最後で、それまではひたすら人間VS吸血鬼のバトルバトルバトル。

面白いんだっけって言われると微妙。小林泰三はわかりやすいけど、戦闘描写に関しては妙にまどろっこしくて読みづらい。ので。

澤村伊智「恐怖小説キリカ」

念の入れようがすごい


恐怖小説キリカ (講談社文庫)

恐怖小説キリカ (講談社文庫)

三津田信三シリーズと同じく、作者を主人公とするお話。
三津田信三の怪談とは違ってサイコホラー。というか、小林泰三ふうなホラー。
映画「来る」を見たので読んでみましたが、面白い。
話自体は「いやー嘘でしょこれは」と言いたくなる話ではあるが、あとがきとか設定が念が入っていて「え?本当なの?」と思わせてくれる。
「この物語はフィクションであり、実在の人物団体とは関係ありません」
という注意書きにホッとさせられる話。

「探偵が早すぎる」上

割とまともな清涼院流水という感じ。

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

講談社タイガとかいう講談社の文庫の新しいレーベルらしい。てっきりライトノベル系統のものかと思ってたら、ライトノベルライトノベル講談社ラノベ文庫とか言うのがあるらしい。どういうコッチャ。
体感的にはラノベというより、昔流行った(らしい)ノベルズの文庫版みたいな感じなんだろうか。

話はもっとラノベ的な低レベルな話かと思ってたけど、以外はまともだし、話もテンポよく進んでいて面白い。
文章もラノベと違ってちゃんとしてる印象あるんで、ラノベではない感じ。
ただまぁ、設定がある意味清涼院流水というより、麻耶雄嵩的な「非現実的設定」を前提とした感じではあるので、正当とは言い難いような感じ。
早すぎるどころか、出てこないうちから解決してるってのがなんとも斬新ではあったかな。

ブライアンラムレイ「黒の召喚者」その1

デモンベインの原点ってむしろこっち感



朝松健の後書きで有名なアレ
まあ、言われてみればそうかもなとは思うけどこうまで有名になってしまっては。書いた本人もアカンと思ったのか後に出たラムレイ短編集では釈明じみたことを書いている。


自動車嫌い

自動車事故で妻と息子を無くした男が、車の来ない山の中で生活しながら、森に許可無く侵入してきたドライバーを車で挽いていた。という話なのだろうか……。
迷い込んできた車とその持ち主を挽き肉にしてるという点は明らかだが
車の雑誌とか麻薬入りのビールは?途中の沼に沈んでた車は?
人間を挽いて使い物にならなくなった使用済みの車を沼に沈めているのだろうか?
ビールは来客眠らせて挽きやすくするため?
じゃあ車の雑誌は何なんだろう。雑誌に載ってる車買って自分で沼に沈めて胆だろうか?
落ちはゴシックなホラーというより確かにパルプマガジンのホラーじみてる

「アリス殺し」文庫版 その1

売れたのか売れてないのか

アリス殺し (創元推理文庫)

アリス殺し (創元推理文庫)

えらい文庫化に時間かかりましたね。
2007年くらいだっけ、ハードカバー版出たの。もう10年くらい経ってるのでは。
こんなに時間かかったのは、文庫化するほど売れてはいなかったからなんでしょうね。あるいは売れすぎたので文庫化するのがもったいないと思ったのか。