HPL「這い寄る混沌」その1

シャイニングトラペゾヘドロンを「輝く偏方二十四面体」とちゃんと日本語訳してるの初めて見た

星海社というFateライトノベル専門の出版社の本。
なので、当然表紙も関連あるイラストレーターになってる。「FateZero」の虚淵玄の所属するエロゲー会社のイラストレータ中央東口鬼哭街の頃と随分変わったな……。
客層はFateZero関連?ちょい前の萌え系クトゥルー神話の読者ターゲットにするにしては硬派だしなぁ。そもそもレッドドラゴンみたいなTRPGリプレイ本出してたからそれ関連で出す構想はあったのかも知れない。
表紙はかなり胡散臭い感じだが、人間体ナイアルラトホテプの姿としては極々順当な見た目をしている(自分の想定してたナイアルラトホテプに近い)。何故か人間体を描かれることのないナイアルラトホテプの貴重な人間体イラスト(何故人間体の姿があんまり描かれることがないのかは謎です)。ではあるがこの胡散臭さは本自体のチープ感を増幅させるぐらい胡散臭い。まあ本の装丁自体も竹書房か光文社あたりが流行に乗って出した程度の浅い本という感じではある……。なんか流行に乗ってムック出しました的な。いや、どっちかというと新紀元社的な胡散臭さかな。
逆にへんちくりんなイメージのナイアルラトホテプてどんなん?
PHP研究所あたりの漫画かな

ニャルラトホテプ (クラッシックCOMIC Cコミ)

ニャルラトホテプ (クラッシックCOMIC Cコミ)

こっちではファラオのような...云々を真に受けたのかツタンカーメンの仮面の様なもの頭に乗っけてましたね...もうね、アホかとバカかと。まあ、PHP研究所は「新訳狂気の山脈」とか出してますけど、あれも大概だったな。HPLの小説は大抵誰が訳しても同じように分かりづらくなるとは言え、新訳であのクオリティはないなと思ったよ。

ま、前述の通り誰が訳しても一緒、超訳でもせんかぎり読みやすい文章にはならんだろうと思っていたけど

今回のこれはなぜか代筆作品やら添削作品まで乗っけて、更に元作品まで乗っけているというので買ってしまいました。
こういうのは中々無い......無いこともないけどね。国書刊行会辺りの出してたラヴクラフト全集辺りにはあった気も。ただし絶版。
東京創元社ラヴクラフト全集別巻にはある。
本自体もなんか軽いし読みやすい。



ナイアルラトホテプ

まあ......夢の中の話だからなにがなんだかわからんのは想定内。
割りと分かりやすい訳だとは思うけど、漫画先に読んでたからそう感じるだけかもしれんしなんとも。

這い寄る混沌

ナイアルラトホテプの有名なあだ名「這い寄る混沌」と同じタイトル。そのわりにこの作品にはナイアルラトホテプのなの字も出てこない


そういえばカダスは収録されていないらしい。