「世界推理短編傑作集1」その1

翻訳見直した割に微妙な時代の訳

世界短編傑作集の新盤。まあ、ものが良い割に、いつまでも戦前センスのまんまだったからなぁ……むしろ遅いのでは?
「『世界短編傑作集』って名前の割に、推理小説しか入ってないやん!どうなってんのこれ?」って突っ込みが多かったのか、名前に「推理」の二文字が入るようになりました。
遅い……今更か……。

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)


まあ、名前分かりやすくなって、戦前の悪しき習慣「他の文庫に納められてるからこのアンソロジーには収録しないよ」がなくなったことはよいことだ。

と思ってたら、解説読んだ限りだと「犯罪文学傑作選」に収録されてるからって理由で、パール・S・パックの「身代金」は今回も未収録だそうな。画竜点睛を欠くというのはまさにこういうことでは?
何なんですかねこの習慣、ほかの本買わせるための手段?今だとすぐ本絶版になるからやる意味無いんでは。
今回復元されたのは、ポー、ドイル、チェスタトンの作品らしい。本書にあるのは「盗まれた手紙」、「赤毛連盟」の二つ。
でシリーズ全部で47短編となる。えらい半端だな。後一つ復元して48短編にした方がきりがよいのでは?47って四十七士じゃあるまいし。
しかしわざわざ旧文庫でも今文庫でも除外してあるのはなんか理由あるのか?他短編集に収録されてるからってねぇ……?

他としては、英語から重訳だったのを原語からの直接訳にしたそうな。まあこれは良いところですね。
翻訳も見直したそうな。まあ、旧文庫にあった変な文字ぬけやら句読点のおかしな点は無くなったかな。
ただ文章の見直した点は最低限で、例えばセリフの中で日本語の常識としておかしな点とかはそのまんまらしい


ポオ「盗まれた手紙」

流石にコレは新訳出せよ……

おなじみ。コレ読んだことない奴はモグリだろっていっても過言ではない基本。
ただなんかこの翻訳どっから持ってきたんだろ。
自分の嫌いな
「セリフが変にマンガ臭い」
ってタイプの翻訳。マンガ臭いってのはセリフが丁寧語とタメ口ってのがあんまり統一されてないとか、普通の口調になのにいきなり「~だぜ」みたいな乱暴になったり、「~かしら」みたいな今使ったらオカマ扱いされそうな言葉使うとか。
そういう、ドラえもんの昔の作品みたいな感じっすね。
まあ当時はこういう変竹林なしゃべりが普通だったんですかね。にしてもこれはさすがにレベル低いタイプの翻訳だから新訳出して良かったんでは?
昔の翻訳にも善し悪しあるからなぁ。
そんなわけで、翻訳の質が気になって読み進められない。
まあ内容知ってるからとばしても良いかな……

追記

読んだけど、思考の盲点ってのを説明すんのにページ数費やしすぎてなんかすごく眠くなった。
昔、偕成社版読んだときは普通に読めたからやっぱり翻訳の質かな。