面白いSF

人間、ポジティブな情報よりネガティブな感想の方に飛びつくよねって証明

アルフレッド・ベスター「分解された男」

多分、これが一番面白いと思います。

分解された男 (創元SF文庫)

分解された男 (創元SF文庫)

SFとしての評価を受けていながらも、エンターテインメントとして面白いという異色の作品。
なかなかこのレベルで面白いものと言うものは早々ない。「虎よ虎よ!」のように変な思想もこもってなくて、単なる悪人と警察が戦い合うというエンターテインメントに徹しているあたりがすごい。

かつては早川から「破壊された男」というタイトルで出ていたけど絶版。だったのが最近また再販されたらしい

神林長平戦闘妖精・雪風

いいだろ別に、アニメから入っても

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)

大方のファンと同様、GONZOOVAで知ったタイプ。最もPV見て本買ったので、やっぱりあの映像作品に対する評価は「糞」でしかないけど。
本当に本当に申し訳ないが、やっぱり神林長平の最高傑作ってなるとどうしてもこれになってしまう。
変に思索的でないからかな。他の神林長平作品はやっぱり笑える内容か、奇妙な世界での冒険というテイストのものが多い中で、現実と陸続きである話は親しみやすいのか。
なかなか褒める言葉が見つからないがまあそういうこと

伊藤計劃虐殺器官

SFは変わった

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)

電脳世界で構築された清浄な世界から、銃の支配する現実の世界へ
SFというジャンルはどうにも戦争なるものを避ける傾向にある。現実で戦争起こりまくっているのだから物語の中ぐらいは平和な世界を構築したいのだろうか。あるいはSFの代表的な作品を書いた人たちが、「世界政府」のようなものを夢見る人たちだったのが大きいのだろうか。
大体の人が避けてきた「戦争」に従事する人々を書いているところが革命的でもあるし、現在の日本人の興味をうまく捉えているとも言える。
80年にも渡る平和に飽きた日本人はおそらく今度は幻想としての「戦争」を求めているのだろう。戦前生まれが過剰に平和を渇望するように

フレドリック・ブラウン「さあ、気ちがいになりなさい」

初めてオモシロイと思ったSFでありますので

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

さあ、気ちがいになりなさい (ハヤカワ文庫SF)

SFにはこういうジャンルもあるんだなと感心した覚えがあります。これはSFに入るのか?YESであります。もちろん
話は短い、読みやすい、そして話自体のオチの付け方が面白い。これをSFなんてジャンルに入れておくにはもったいない。


星新一ショートショートもなかなか面白いが、あんまり毒が強すぎる。


此処から先は多分趣味の部類

八杉将司「Delivery」

耽美なのは冒頭だけだぞ

Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

Delivery (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

病院のような施設で育てられた少年たちが、月に一人ひとり施設の人たちに連れられて消えていく。
という冒頭シーンに、中々に幻想的というか「そういう」ジャンルが好きな人たちには受けそうな雰囲気を漂わせているなと思わずにはおれない作品。ホノジロトヲジの挿絵似合いそう
地球が地震で崩壊して、月をテラフォーミングして更に科学を発展させている世界とか言う点考えても中々ファンタジーな感じですよ。
全身義体とかなかなかに想像しやすいギミックが入っている

なんとなく今思い返してみると、大地震での地球崩壊とか月とか、全身義体とか、脳をCPUとして使う設定とかいろいろ、冒険ファンタジー名作選とかで影響受けているのではという気がしないでもない
よく考えたら、育てた少年少女を工業利用するって「コンピュータ人間」っぽいなと思ってちょっと気分悪くなった。

海野十三「金博士シリーズ」

なんか古い時代のSFを読むと現代からは考えられない間違った知識で書いてることが多いが、海野十三はそこらへんの面白さ*1だけじゃなくて、話自体も珍妙で面白い。
でもたいてい長編になるとなんかよくわからない尻切れトンボじみた終わり方するので、やはり短編のほうが面白いんじゃないかなぁ
海野十三作品はいろいろ読んだけどやっぱりハマる原因になったこのシリーズが一番面白い。



「書架の探偵」入れたかったが、あいにくとまだ読みかけなんで。
現時点ではランキングに入る傑作ではある。

*1:エセ科学とはまた別