W.H.ホジスン「異次元を覗く家」その2

異次元を覗く家 (ハヤカワ文庫 SF 58)

異次元を覗く家 (ハヤカワ文庫 SF 58)

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謎の手記を遺跡から発掘して読み始めた2人。
手記の語り部の老人が奇妙な幻影を見た次の日、近くの渓谷から塵埃と共に頭豚体人の化け物たちが現れ、家を襲撃し始める。主人公(老人)は胸壁の石を落としたり、書斎のドアを打ち付けたり、雨樋を登ってくるオークを雨樋ごと地上に落としたり、侵入してくるオークに猟銃発砲したりして何とか攻撃をしのいだが、数日後外に出ると胸壁で圧殺したはずの人豚が影も形もなく消えていた。廃園も探索するが死体は見えない。さらにおかしなことは、妹が自分を化け物であるかのような表情で見ることだった。
人豚の再襲撃が無いことを確信した主人公だったが、渓谷の途中に穿たれた人豚が出てきたと思われる穴を見つける。渓谷の増水した水が穴に流れ込む前に見ておこうと探索を始める。そして自分の家の真下に巨大な縦穴が広がっているのを発見する。
川の増水に巻き込まれて危うく穴に落ちそうになりながらもなんとか家に戻った主人公は地下室へ向かい床にある栓を抜きやはり家の下に穴があることを確信する。そして人豚もここから出てきたのだろうと。果たして増水した川の水が流れこむ奈落の底で豚がどうなったのかは不明である。
どう考えても入ったら死ぬの確実なのに穴を探窟したいと考える度し難い主人公。最初はそれを押さえつけていたが、次第にその欲求が高まる。

まあ、その地下室の栓の秘密みたいなのが明らかになったのはいいんだけど、そっから話がどっかにすっ飛んで、遙か未来に起こる太陽系の終末のビジョンみたいな下らない話が延々続く。ここがまあ、手塚治虫読者にはお馴染みの破滅的未来で非常に飽き飽きしてしまう。
それになんだか関係あるのか無いのかよくわからないヒロインじみた人物のことはどう考えれば良いのやら。