小林泰三「アリス殺し」

ようやっと小林泰三の面白い長編ミステリが読めたという感じ。「密室・殺人」だと結局クトゥルフ的なタームは幾つかあったものの、オチにもトリックにも全く絡んでこないという残念な結末だったが、今回は一応不思議の国と現実世界の構造が結末に絡んでくる。

アリス殺し (創元クライム・クラブ)

アリス殺し (創元クライム・クラブ)

犯人自体というか、不思議の国との繋がりは何とか犯人名指し直前に理解出来たので及第点。ラストもクトゥルフちょっと入ってて良かったと言える。
それにしても、アリス世界のほうが現実なら、犯人は夢の世界に出てくる連中が不愉快だから現実の連中殺してた事になるな…