「魔地図」その1

魔地図 (光文社文庫)

魔地図 (光文社文庫)

まちず。
しょうもないテーマだなと思って手は出してなかったが、意外に面白い。どちらかと言うと冒険譚っぽくなるからか。

「路環島の冒険」林巧

時間怪談に分類した方が良くないかこれ?言いたくなる作品。何か起こりそうな雰囲気だしてる癖にたいしたこと起こらないあたりもな。

イスタンブール(ノット・コンスタンティノープル)」高野史緒

コンスタンティノープルって例のニュースでやってたイギリスの策略で作られたユダ公の国だっけ?
途中の冒険までは面白かった。

「猫ヲ探ス」森真砂子

内田百閒にはあんま良いイメージないんで途中で読むの辞めた。

「幻燈街再訪」植草昌実

もうこれが本書のNo.1と言っても言い過ぎではないでしょうなぁ。
カリガリ博士の様な歪な書き割り世界観をうまく表現してくれてる。

「皮膚」松本楽志

あまりに詩的な表現に胃がくちくなる。文学的と言うには下品過ぎるラノベ的表現の羅列に耐えられなくなったので読むのを辞めた。井上雅彦を洗練させたような文章と言っても良いけど、根底の気持ち悪さが井上雅彦のそれと同質なのでどうにも耐えられなかった。

「モモの愛が綿いっぱい」大槻ケンヂ

妻子を失って狂った男がクレーンゲームでとった人形を連れてドライブに行く話。

「いつか、僕は」牧野修

幼少期から現れる2人の怪物のおかげで死に魅入られていた少年の話。一番幸せな時狙って来るってあたりジョジョの短編思い出すな。

「大帝国の大いなる地図」ダーヴィデ・マーナ(マッシモ・スマレ訳)

何これ読みづらッ。
日本語からフランス語への翻訳が出来るからと言って逆もまた然りとはいかないもんですな。
県ほどもある巨大な立体地図こそが「本物」と思い込んだ地図製作者に殺されそうになった大尉が、月を落として地図を壊す話。
別に面白いもんではない。

「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明

同名の本は持ってたけど読んだことは無かった作品。買うだけ買って放置してたんだな…。
地図って言うか地図帳だなこれ。
地図を使って死体遺棄する殺人鬼とその地図の話。
こんな文章もかけるんだね平山夢明
現時点でこれが平山作品の一番かな。