小林泰三「天体の回転について」再読2

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

天体の回転について (ハヤカワ文庫 JA コ 3-3)

300万

結局技術が進歩していても、それを使う連中の大半は科学については精通していない。そんな連中が大凡上の方にいるって時点でまあ、結局この連中と今の日本というか世界の状況もあんま変わらん気がするね。


盗まれた昨日

ホラー全盛期のいつもの小林泰三なら、体にメモリーカードは戻ったものの、南部総一郎の記憶に汚染されてだんだんと狂気に踏み込んでいく…的な話になってたかもしれない。
結局あの少女達が記憶入れかえて入れ替わってたから何なんだ?的な感じはする。
結局彼女たちにとってはあのメモリーカードは魂に該当するかもしれないけど、南部総一郎みたいに途中から記憶できなくなったタイプだとやっぱ本質は体のほうにあるんじゃないか?と思う。

時空争奪

うーん。まあ、だからなんで上流奪われたほうの歴史に異変が起きるんだ的な。結局、平安時代から現代までが共有されてたせいでこんなことになったってことなのかね?
まあ、要は、歴史改変型のパラドックスを論理的におかしくないように実現するために考えだされた理屈。という感じなんであんま深く突っ込んでも仕方ない気がする。
ハイライトは結局「鳥獣戯画」がクトゥルフ的な邪神に侵食されているって部分とその影響が現代にじわじわと現れるという、ありえない状況を描いてる部分だと思うんで。