面白くないSF

世の中の大半のSFは面白くないんじゃないか?という気がしてきたので面白いのと面白くないのを列挙する
ネット上にはどういうわけかSFばっかり勧めてくる連中がいるけど、そういう連中の話真に受けて手を出すと痛い目にあうよという好例。
あと、そういう話真に受けて、読んでもいないのに他人に薦めるのは……辞めようね!

P.K.ディック

「高い城の男」

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

「流れよ我が涙と警官は言った」

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

「アルファ系衛星の氏族たち」

アルファ系衛星の氏族たち (創元SF文庫)

アルファ系衛星の氏族たち (創元SF文庫)

「パーキーパットの日々」

ディック傑作集〈1〉パーキー・パットの日々 (ハヤカワ文庫SF)

ディック傑作集〈1〉パーキー・パットの日々 (ハヤカワ文庫SF)

「ザップ・ガン」

ザップ・ガン (創元SF文庫)

ザップ・ガン (創元SF文庫)

改めて見るとP.K.ディックのSFって大して面白くない気がする。短編はまだマシだが長編はどうにも。
それ以前に世界観が鬱々として爽快感も何もあったもんじゃない。というより、そこらへんの「核戦争で世界崩壊した世界を描く」って思想の源流が謎だし共感もできない。なぜ核戦争?ていうか、核戦争あった後人類生き残ってるの?
読んでいればいつか面白くなるのかとおもっていくつか読んだけど、アルフレッド・ベスターの「分解された男」みたいに本当に面白いSF知ってからは読む気をなくした。
まあ、なんで評価されてるかって言うと映画化されてるからそれから入ったってのが多そう。要は、コロンボ、じゃなくてメグレ警部シリーズみたいなもん。

A.E.ヴァン・ヴォークト

「非Aの世界」

非(ナル)Aの世界 (創元SF文庫)

非(ナル)Aの世界 (創元SF文庫)

成恵の世界」から知ったわけではない…はず。後で「成恵」を書店で見かけて何これ気持ち悪ってなったので。
解説にはヴォークト作品では癖のある方で賛否両論とか書いてあったのでなるほどと思った。
あとから「イシャーの武器店」「武器製造業者」を読んだがそちらは普通に読めた。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

「輝くもの天より堕ち」

まあ、「冷たい方程式」読んでティプトリー知って、長編に挑戦したら見事外れ。この人のは短編だけ読んでたほうがいいかも。これ紹介した奴はこの小説を美しいとかなんとか言ってたけど。SFオタの感性が異常だと認識できた出来事だった。

レイ・ブラッドベリ

メランコリイの妙薬

メランコリイの妙薬 (異色作家短篇集)

メランコリイの妙薬 (異色作家短篇集)

これSF?って言いたくなる。まあコレに限らずブラッドベリは変に情緒的なのが多い。「天の光はすべて星」とか

J.G.バラード

「時の声」

時の声 (創元SF文庫)

時の声 (創元SF文庫)

「終着の浜辺」

終着の浜辺 (創元SF文庫)

終着の浜辺 (創元SF文庫)

「時間都市」

時間都市 (創元SF文庫)

時間都市 (創元SF文庫)

グレッグ・イーガンとはまた別の意味で。話がそもそも理解可能な筋をしているわけではない。アイデア自体もまぁ、「木曜日の男」のような、実現可能とは言えないような神の理不尽さに溢れたような物が多い。まあ、J.G.バラードって全部こんな感じだしな。それでも買うのは表紙が魅力的だから。はようコレ系の表紙増やせよ。絶対買う奴出るよ。

ジーン・ウルフ

ケルベロス第五の首」

ケルベロス第五の首 (未来の文学)

ケルベロス第五の首 (未来の文学)

殊能将之のおすすめだったので読んでみたが……。まあ、以前読んだジーン・ウルフの短編もつまらんかったし、期待するだけ無駄な部類。JGBといい文学的とか言われてる奴の大半はつまらない。
作家のおすすめってほとんど面白くないのばっかだよね。なんでだろ。本の読み過ぎで、通常の面白い話では面白いと思わなくなってしまうんだろうか。あと「アイデアの種になる」って基準で見てるフシがあるよな。
「自分が思いつく程度の話はつまらない」と思ってるのかもしれん。

ウィリアム・ギブスン

ニューロマンサー

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

ニューロマンサー (ハヤカワ文庫SF)

翻訳がダメ。正直あの手のサイバーパンクな訳文って一過性のものだと思うんだよねぇ。ここらでまともな日本語の訳を出してほしいものだ
とは言っても、内容自体も割と意味不明なとこあるからなぁ

グレッグ・イーガン

ほぼ全部。
難解オブ難解。
SF者が嫌われる理由の一つに「グレッグ・イーガン作品が好き」って言ってるのがあると思う。名前を聞いただけで普通の小説の愛好者は裸足で逃げ出す。
なんかサラッと今までにない最新科学の概念を持ち出してろくに説明せずに話を勧めていくので、読者は完全に置いてけぼりになって「お、おう……」状態で読んでいくしかない。話的に面白いかと言うと別にそんなこともない。本当に。
だって世界観の説明まともにしてないのに読んでいって面白くなるわけがないじゃん……。概念的な部分を理解できないってのが理解できないのかあの連中は。
そして理解できない人々に対して「え?なんで理解できないの?俺は出来たけど。俺って変わってんのかな?」みたいな感じ出してくるから本当に嫌われる。


色々言ってるが、大体これらの小説を勧めてくる人の話聞いてると、本当にオモシロイと思っていて話していて、「俺の感性がおかしいのか?」と思ってしまうが、
自分の感性にあった小説ってのがまた別に存在していることを考えると、そういう連中とは本当に感性が合わないんだぁ。人の好き嫌いは多様で、特にこの人とは感性が合わないんだと結論づけるしかない。たとえ本好きであっても感性は人それぞれ。「本が好き?ではSF小説も大好きだよね?」なんてのは強烈な勘違い。
近未来小説が好きでも、「SF好きのすすめるSF小説」を面白いと感じるかはまた別なんだよなぁ。


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