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フレドリック・ブラウン「発狂した宇宙」

発狂した宇宙 (ハヤカワ文庫 SF (222))

発狂した宇宙 (ハヤカワ文庫 SF (222))

久しぶりに読んだフレドリック・ブラウンだがなんとも懐かしさが溢れてきてしまった。
内容自他は割と面白い。フレドリック・ブラウンの長編というと、ミステリ系しか読んだことないがどれも内容薄くて絶版になるのもやむなしかなと思えるシロモノだった。しかし、このSFにおいては一応それは当てはまらないらしい。


1945年。いよいよ人類は月面飛行を行う。しかし月ロケットの発射は失敗し、地球に舞い戻ってくる。先端に備え付けられたバートン式電位差発生装置が、休暇中の編集者キース・ウィンストンに直撃する。様子がおかしなことに気がつく。自分の居たはずの出版社の別荘が存在しない、やたらボロボロの車、硬貨を使わない公衆電話。自分は過去の世界に飛ばされたのかという疑念を抱いたようだが、新聞の日付が自分のいた頃と同じであることを見つけるとそれも霧散した。
そして、ドラッグストアで硬貨を取り出したことからアークトゥルス人のスパイとして追われることになったキース。
いくつかの本の助けを借りて自分のいる世界の情報を得る。そこは、自分の住んでいた宇宙とは異なる歴史を歩んでいた宇宙だった。人類はすでに何年も前に充電池とミシンを組み合わせた瞬間移動装置を発見しており、すでに太陽系のいくつかの惑星を植民地としていた。そして、今また外宇宙からの侵略にさらされていた。
人工頭脳のと遭遇したキースはとりあえず食い扶持を稼ぐために奔走するが……。


あー、なるほどね。それを取引の材料に使うのかと。面白い伏線の張り方だなと思った。なんの関係もないのかと思ってたらそこで使うんか。
ブラウンの長編の割に面白い作品。
しかし、SFを茶化すって言ってもそんなお約束とか詳しく知らないので服装がおかしいぐらいしかわからんかった。管制とかは関係あるんかね。
ところでタイトルの「発狂」はちょっと硬すぎる気がするな。「なんておかしな」ぐらいの意味なわけだし。



しかし筒井康隆の了見の狭さには恐れ入る。

その小説ジャンル特有の手法でもって他ならぬその小説ジャンルを茶化すなど、SF以外のどんな小説ジャンルにおいて可能だろうか。

お前は「ジャンピングジェニイ」や「最上階の殺人」を知らんのか?


個人的にはこういう俗っぽいものこそラノベっぽい表紙絵で出すべき作品じゃなかろうか。最近の作家の作品でしかイラストレータ採用してないみたいだけど。