- 作者: P.G.ウッドハウス,岩永正勝,小山太一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/05/27
- メディア: 単行本
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この本の中核となっている「無類のジーヴズ」(森村たまき/訳)は国書刊行会からも翻訳が出ているが、そちらはどうにも不自然な文章が多い。「モンテクリスト伯」とか「北欧神話」の訳並みの低レベルな日本語。その上訳者がたいしてウッドハウス好きと言うわけでもないらしく、ウッドハウスに関する情報があまりにも少ないし、訳者のあとがきはイギリス通な自分に自分に酔ってるだけってのが伝わってきて本当に気持ち悪い。
ジーヴズの初仕事
ジーヴズがウースターのところに初めてやってきた時の様子が描かれている。
これが最初にあるかないかで印象ずいぶん違うよね。というか、これが普通であって国書刊行会のが手抜き過ぎるんだが。
葬式から抜け出してきたような格好何だァお前は葬式帰りかァ?と黒っぽい髪の毛と描写されているが、どのくらいの歳なのかはよくわからない。
「エムズワース卿の受難録」のロード・エムズワースの名前が登場している。
ジーヴズの春
ジーヴズがウェイトレスと知り合ってウースタスの友人の恋愛を妨害する話。
結局このウェイトレスとの関係は続いてるんだろうか。奴が結婚するとか想像つかないが。
ロヴィルの怪事件
「比類なきジーヴズ」だとこれが第一話。いきなりこんなんやられても前知識無いとちんぷんかんぷんだよね。
アガサ叔母が宝石盗まれて、打ちひしがれる話。
ジーヴズとグロソップ一家
バーティが鉄腕女と婚約する羽目になる話。
ジーヴズと駆け出し俳優
同志ビンゴ
ビンゴが社会主義派の娘に恋した所為で左翼に転向する。
トゥイング騒動記
クロードとユースタスの出帆遅延
クロードとユースタスをアフリカへ送り出す話。
何でバーディはこの連中をかくまうの?
ビンゴと今度の娘
バーティ君の変心
バーティが幼女を飼いたいと言い出す話。あるいはバーティ君ロリコンに目覚める。
ジーヴズと白鳥の湖
ジーヴズと降誕祭気分
ビンゴが田舎の劇で腐ったオレンジを投げつけられる
ガッシー救出作戦
「優秀な執事」ジーヴズのいない話。ジーヴズって名前の執事は登場するが。
結果オーライ過ぎて「ジーヴズいないほうが物事はうまくいくのでは」という感じにさせられる。
それにしてもバーティ君アホなの? 元舞台女優の母親を、息子が舞台役者やってるところを見せたらどういうことになるかぐらいわかりそうなもんだが