P.G.ウッドハウス「ジーヴズの事件簿」

ジーヴズの事件簿  (P・G・ウッドハウス選集 1)

ジーヴズの事件簿 (P・G・ウッドハウス選集 1)

P.G.ウッドハウスは「新青年傑作選4」で短編読んだ時からのファンだが、ジーヴスシリーズに関しては別で、「これはどう考えても面白いとは思えない代物」だと思っていた。が、これを読んで考えを改めざるを得なくなった。
やっぱりP.G.ウッドハウスは面白い。
ところで、ジーヴスシリーズが糞だと思っていた理由だが、それと言うのも国書刊行会の「比類なきジーヴス」を最初に読んでしまったためだ。
あれはこちらの短編集とは違い、ジーヴスを予め知っている人向けで、尚且つ訳者の質もよろしくない。あれを読んで「ジーヴスってのは本当にクソつまらんな」と思ってしまうのも無理は無い*1
そんなわけで、ジーヴスを初めて読む人にはこちらの短編集が宜しいとおもわれます。
ああ、ただ、国書刊行会版で面白いって感じてる人は別に読まなくていいと思う。恐らく笑いのセンスが致命的に異なっているだろうから。
ところで、こちらは ジーヴ「ズ」なのに国書刊行会のだと ジーヴ「ス」になってんだけどこの違いは何?
それにしても、「ダイヤルAを廻せ」といい本当に国書刊行会は微妙よね。昔はマイナーな作品の紹介に一役買ってた感もあるのに、他社が同じ様な事始めると作品の質や訳者の質で完全に水を開けられてしまった。まあ、マニア向けな作品が多いのは今も昔も変わりないのだろうけど。


どうでもいいけど、自治体の図書館が国書刊行会版の最新刊を8冊も入れてるけど、借りられてるのは1冊だけ。無駄なことに金使ってんなぁ。んなことやってる金あったらもっと需要のある本を入れろよ。涙香の「巌窟王」を「既に『モンテクリスト伯』があるから」とかわけのわからん事言って入れんくせに


巖窟王〈上巻〉 (世界名作名訳シリーズ)

巖窟王〈上巻〉 (世界名作名訳シリーズ)

*1:でも、なぜか国書刊行会のほうが有名らしい。あんなに糞面白くないのに