黒岩涙香「巌窟王 上」その3

巖窟王〈上巻〉 (世界名作名訳シリーズ)

巖窟王〈上巻〉 (世界名作名訳シリーズ)

58〜82
ゼノア市で新しい船を買い、モント・クリスト島で残りの宝を船に積み込んだ友太郎。ジャコポの調査により父團友蔵は死亡、お露は行方不明になっていることを知り単身調査に乗り出した。
馬耳塞(マルセイユ)のかつての住まいアリー街へ向かい、かつての部屋と毛太郎次の行方を聞き出した友太郎は何処かへと去った。
数日後、暮内法師と名乗る男が毛太郎次の経営する宿屋へ現れ、友太郎の「友人」に渡すものがあると言い五萬フラン夜光珠を取り出した。友太郎の「友人」とは段倉、お露、次郎、毛太郎そして友蔵の5人。この5人に分けてあげるよう言われたという夜光珠(ダイヤモンド)をちらつかせて友太郎逮捕に至る経緯を粕場毛太郎次から聞きだすと、この夜光珠を送るのに価する「友人」はお前だけだと毛太郎次へ夜光珠を渡す。そして、森江良造が友蔵の葬式代としておいて行った財布を貰い受け何処かへ去っていった。


なんか富村銀行の書記長だか秘密書記だか名乗って森江商会を救うあたりがなんともまどろっこしい、結局債権集めまくって最後にやるのはそれかい。金ポンと置いとくとかじゃ駄目だったのか。緑嬢の婚資とか言って夜光珠の指輪置いてるから別に森江が金受け取らないだろうと思ったみたいな話じゃないみたいだし。債権買い取って払えるまで待つとかで永遠に延ばしましたとか。安直だけど。あと、富村銀行買い取ってなかったのかよ。出来ないわけじゃないよな、後で富村銀行買い取ったって話出てるし。買い取ってりゃそこから融資させることもできたろうにねぇ。にしてもわざわざ手紙で緑に手紙出してそこで502号室の財布取りに行かせるって、これ11時を過ぎてたりしてたら森江良造自殺してたんじゃないのか。手紙来たのが当日ってあたりからしてなんか綱渡りじみてるよね。なんでこんなになるまで森江良造を追い詰める必要があったのか……。
毛脛安雄登場。なんか脛毛濃そうな名前よね。あの野々内に殺された臭い毛脛将軍の息子らしい。息子なんていたのか。それでわざわざモント・クリスト島で伯爵と邂逅したのには何かの意味があるのか無いのか。一緒に食事しないってことは安雄も復讐の対象者なのか?
いよいよアニメの巌窟王第一話あたりにやってきたけど、まあ、こっからが正念場か。