ロバート・シェクリイ「無限がいっぱい」その1

無限がいっぱい (異色作家短篇集)

無限がいっぱい (異色作家短篇集)

「ひる」については『20世紀SF』で読んだことがあったからまあ、知ってるだけかと思ったけど、監視鳥はどうも読んだことがあるようだ。「風起こる」も。
どうも以前この本読んだことがあるようだが、なぜだか記録はしていない。ブログはじめる前だったのかな。

グレイのフラノを身につけて

運命的な出会いを演出する結婚紹介所の話
昨今はやりの婚活ネタ。
結局伯母?

ひる

なんでも吸収してしまう「ひる」が地球にやってきた話。
これ、結局解決方法ってあるん?あのままひるを外宇宙まで引きずっていけても、結局どこかで惑星にでもぶち当たればまた吸収始めるし。
まあ、作中のアメリカ軍人のやり方は現状の「世界の警察」アメリカを皮肉っているようにも感じる。

監視鳥

条件が拡張されすぎて人間を襲うようになった殺人防止用の「監視鳥」の話
監視鳥自体がネットワークに繋がっていて殺人の定義を随時書き換えてるとか
1960年によくこんなの考えたもんだ。
似ているといえば新薬による病気の根絶とそこから起こる新しい病気の発生とかよね。
あるいは生類憐れみの令並の動物愛護団体に対する皮肉。理想主義者の多いSF作家には珍しい作風。


今だったら監視鳥をスタンドアロンにしたりせずに、ホストサーバーを持っておいて、そこに定義ファイルを置いておくってな方式にするよねぇ。お互いに通信可能って言っても記録レコードに限界あるだろうし。全監視鳥が随時殺人の定義を更新してるんならそこでコンフリクト発生したりするだろうし。
そうなると実際の運用では割りと簡単に止める機構ってのは作れそうだけどね。
こうなることを予想できなかったのがちょっと頭悪い感じ。


以前読んだときはあまり面白いとは感じなかったがどうしてそう思ったのか検討もつかない。この手のSFはある程度以上いかないと面白いと感じないんだろうね