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「災園」その1

災園 (光文社文庫)

災園 (光文社文庫)

三津田信三と言えば、短編はマシだが長編が下手と云う認識の作家なのだが、まあ、今回ははじめから比較的スラスラと物語に入っていける。


どうもこの作者は立体的な地理描写が下手なようで、「作者不詳」の杏羅の描写にところどころ「ん?」と思うところがある。
とにかく建物の描写が下手で「蛇棺葬」だと数ページの間、延々と建物の描写が続いていたりするが、こういうのは、その建物がどんなものか分かってる、見たことのある人には無駄な描写だし、見たことのない人にはいくら言葉を尽くしても混乱するだけで一向にその具体的な姿が想像できないという、どっちにしても無駄な部分でしかない。
いっそ写真載せてたほうがいいんじゃないかと思うが。実験小説的にさ。
まあ、ミステリのフェアさの為に必要なのかも知れないが。
他にも、「直接ダイレクトにそれを表す言葉を使うと想像されにくいので、具体的な見た目を想像させて、実は……」と云うのも下手な気も……。
この手の特徴は短編だとそうでもないけど長編になると顕著になるよね。
「作者不詳」(ノベルズ版)読んだあとに「ホラー作家の棲む家」読んだらあまりの読みにくさにびっくりした。その後、「作者不詳」より後に書かれた「蛇棺葬」「首無の如き祟るもの」でも同様の特徴があるので、この作者は長編下手。と云う結論に至りました。まあ、「作者不詳」読んだ時点だとこの作者すごいなと思ったけど、他の読んでいくとどれもハズレばっかで、ああ、「作者不詳」だけが特別だったんだなと幻滅した覚えがある。



後そういえば、地名をわざわざアナグラムにするっての今回もやってるけど(滑万尾->かつまお->katumao->okutama->奥多摩)、コレやる必要あるのかなぁ。武蔵名護池とか武蔵小金井知らなかったら、へーそんな地名有るのかとか、あるいは単なる架空の地名として捉えるだけで、見慣れた場所が異界化する云々って事にはならんのではないかと。
つーか、要はローカルネタよねコレ。住んでる奴にはわかるっていう。
まさか地名そのまんま出すと問題あるからアナグラムにしてるってわけでもあるまいし。


他、わざわざ思ってることを()使って描写するとかいうラノベみたいなこともしてたね。「禍家」だったと思うが。アレは本当に描写ひどすぎて数ページ読んで投げた。「ああっ」とかわざわざ心の声にして描写しなくてもいいじゃんって言いたくなるし。
実は三津田信三って複数人が使いまわしてるペンネームとかじゃないよね?と「作者不詳」と他読み比べて思ったものだ。