押井守「TOKYO WAR」

TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR

TOKYO WAR MOBILE POLICE PATLABOR

何かの略語かと思ったら単なる符牒だったらしい。
読んでて色々不可解な点があるんですよねぇ
それにしても、今まで犯人だと疑ってた自衛隊を、警察に変わっていきなり首都防衛に当たらせるというのはちょっと無理ないか?
実はこうでしたって公表して、それで自衛隊に対する不信感がなくなるわけじゃないし。そんな状態で街頭に戦車で乗り付けたりしたら、反発は強まる一方だと思うが。
戦車に卵でも投げつけられるんじゃないのか。
そもそも、自衛隊駐屯地の連中が籠城なんぞ始めた時点で、政府にはコントロール出来ない軍事力を持ってるってことなんだし、制御できない力を首都防衛に当たらせる時点で「こやつ正気か?!」と言いたくなるんだが。
それとも、幕僚辞任で手打ちして後は自衛隊の信用を取り戻すだけってことなのか?
だとしても、そんな事情は国民が知る訳ないし無用な反発を招くだけじゃないのか?
正直自衛隊を首都防衛に当たらせるってのは単なる話の都合でしかない気がする。
それによって自衛隊の不満が高まり、クーデターを起こすって状況を作り出したいだけなんじゃないかと。ようするにやってることが三島由紀夫とおんなじですね。
おんなじようにクーデター起こすのには失敗してますがね。


どうにもアホな思想家が、自分の理想を実現させたいがためにだけ書いた小説って感じですね。
ひどく薄っぺらい。特にアニメみたいなアクションがないから、「その裏に隠されていた思想がなんだか凄いことのように思える」というのが無くなってしまいますわな。
要するにお前東京で戦争したかっただけちゃうんって

というか、東京に戦車やってきていかにもヤバイこと起きますよって状態になっておいて、人の逃げ出す描写がないってのが不自然だよね。
あんな状況になっても誰一人逃げ出さないのか?