未来妖怪 その2

未来妖怪―異形コレクション (光文社文庫)

未来妖怪―異形コレクション (光文社文庫)

「真朱の街」上田早夕里

まあ、割と良い方ですね
妖怪と人間の共存している街で、子供を攫われた男が人の姿をした百々目鬼に捜索をお願いする話。
ありがちな感じもするが、割と面白い。

「缶の中の神」草上仁

宇宙開発途上のとある惑星。そこでは選択的攻撃を行うマイクロマシンに怯える作業員たちの姿があった。そのマイクロマシンは彼らの敵対種族が用意したもので、彼らの食料の中に紛れ込んでいる。
これはちょっとびっくり。この作者にしては、かなり良い部類の話。

「産森」八杉将司

『心霊理論』の同氏の作品ほどは面白くなかった。
未知と出会ったとき妖怪が生まれるというのはたしかに学者の論理っぽいが、果たしてそれが現代の人間に通用するのかという。
まぁ、それ言ったら「俺達の晩餐」も多少不自然な気もする。でも、あっちの方はまだ良かったんだけどな。こっちはどうも。
まぁ、「教科書通り」を地でやって説明しようとするが、それでは納得のいかない気持ち悪さがこの作者の特徴なんだろうけど

「黒いエマージェンシーボックス」平谷美樹

赤道直下の七つの島で建設中の軌道エレベーターに現れた謎の妖怪の話。

うーん
まあ、未来ではあるな
なんか現れる原因が納得行かなかったり、結局あの最後に残った奴は助かったのか死んだのかはっきりせずに終わる辺り、なんか不満が残る

「ウエダチリコは変な顔」牧野修

牧野修な割に割と読める話だった。
久美沙織「REMIS」とか中島らも「DECO-CHIN」みたいな、自ら異形になることを求める人の話ですな。

「雨の中、迷い子がひとり」石神茉莉

うーん
まあ、あんまり印象に残らない話ですね。教科書に乗ってそうな感じで未来でもなんでもないし。