ロバート・W・チェイムバース「黄衣の王」その1

例のクトゥルフ神話の創設者の一人、H.P.ラヴクラフトが影響を受けたと言われる「黄衣の王」です。
で、「黄衣の王」って作品は実在せず、単に本書に収録されてる4篇の短編に登場する戯曲の名前です。ネクロノミコン的な代物。
つまり、ああいう謎な書物を重要なファクターとして登場させたのはなにもラヴクラフトが最初ではないということですな。
以前読んだ「黄の印」では読んだら死ぬ的な代物だったと記憶していたけど、単に頭がおかしくなるだけらしい。

「黄の印」は昔読んだことあるけどなんか珍妙な話でした。別に怖がるところはないけど、話が妙すぎてどうにも判断付けづらい代物。

評判を回復する者

「黄衣の王」を読んで狂ってしまいナポレオン妄想にとりつかれた青年と、アメリカを転覆させて新たな王朝を打ち立てようと妄想する不具者の話。
評判を回復する者というのはその不具者のワイルド氏のこと。


なんか、冒頭の描写は一種の未来予想らしいですよ。
だから軍隊にインディアンの騎兵隊がいたり。
自殺禁止の法律が撤廃されて、自殺用の官製ガス室が作られてるとかワケわからん未来予想ですね。

仮面

生き物を大理石に変える薬液を開発した男とその友人の話。
三人の男女が登場します。その内の一人の女が薬液にドボン。そしたらその恋人の男は銃で自殺。主人公は彼らの友人
ロミジュリ?
ジャック・スコットってのは結局なんの為に登場したの?

ドラゴン路地にて

ちょっと良くわからないですね
HPLの「ナイアルラトホテプ」並みに意味不明
なんとなく「黄の印」に出てきそうな奴が登場しているけど。

黄の印

主人公の画家は、モデルにしていた女から「変なメダルを拾ってしまい、それから変な夢を見るようになってしまった」という話を聞く。そして、画家は誕生日にそのメダルを送られる。その後ふとしたきっかけで読んだ「黄衣の王」でそのメダルが「黄の印」だと知る。
これはまあ、有名どころですね「クトゥルー」にも収録されている一篇。
死んだのはどうも「黄衣の王」読んだせいではなく、黄の印を拾ってしまったかららしい。
だからなんで黄の印拾ったら死ぬの?
死体が動いてた理由は何よ?
「黄衣の王」読めばわかるはずらしいが、読者側は絶対読めない代物なのにな。

「黄の印」ってキ印って意味も掛け合わせて「きのしるし」「きのいん」とか読むのかね。
殻の柔らかい蟹を食べると変な夢を見るのか?