北原尚彦「霧幻帝都」

うーん。なんというか。
ラノベって思ってたらホラーで、ホラーだと思ったらラノベだったみたいな。
何言ってるかわかんねーと思うが俺もどういう事なのか分かんなかった


あんだけ人が消えたり怪異にあったり(なんせ家の中にいても怪異に合うわけで)しかも、だんだんと異形化する対象が動物やら物から人に移ってきてる感じになってる中で、どうして主人公四人組だけ平気なんだと。
終わり付近では対処法ができてるから良いんだけど、それまでもバンバン人死に出てるのにあの四人だけ無事って奇跡に近いよねって。
一人ぐらい調査中に死亡とかやってもよろしかったんではないかと。あるいはそういう人員を追加しておくとか。
鍵を握ってた仲間の一人が核心に迫りかけたところで死亡ってよくあるよね。


正直、あんまり主人公達に無関係な人達が、ストーリーに絡まないところでバンバン死なれても余り……なぁ。感傷が湧かないと言うか。
そんなのばっかりだと単にグロいシーン書きたいだけの友成純一的な悪趣味さを感じてしまうわけで。


あとはまぁ「黒科学」とか「黒次元」とか。
なんか大映東宝の怪獣映画とかに登場しそうな安っぽいネーミングよね。
まあ、それだけじゃなくて展開的にも「ウルトラQ」とかそこら辺真似してる感じがするよね。
要するに作者側としてはまともなストーリーなんか書く気はなくて、単にロンドンを書きたかっただけなんだねって言う(後書きで言ってるとおり)。


どうでもいいけど、これってEXノベルズ廃刊に伴って絶版になってるみたいだけど再販しないのかな。


ちょっとネタバレになるけど



そもそも、門はこちら側からしか開かない状況であの姐さんはどうやって戻ってきたの?
ていうか、あっち側の存在になッてんのなら、霧発生時以外はこっち側にいられないんじゃないの?
しかし、あの本燃やしちゃったのはちょっとどうなのよ?霧の原因作った犯人は、あの本に頼らずに門を開いたんだから、これから同じコトをするヤツが出ないとも限らないのに。そうなったときの対抗手段として有効な知識が失われるのは非常にまずいのでは?