小野不由美「屍鬼」5巻

えーいよいよクライマックス。というか、この巻でやっと人間側が吸血鬼を倒すために立ち上がるわけです。
まあ、この本の吸血鬼ってなにも超人的な力があるタイプのやつじゃないからなぁ。一度人間側が立ち上がってしまえば、そこからはなし崩し的に。昼間寝ている時に隠れ家を突き止められて、そこにどんどん杭を打ち込まれていく。

流石に対象となる吸血鬼の数が半端じゃないので1日2日じゃどうしようもありません。3日ぐらいかけて捜索して、最近人が戻ってきた家などを捜索して屍鬼を引きずりだし、杭を打ち込んでいく。
そしてどんどん積みあがる死体の山。なんせ古典的な吸血鬼みたいに灰になったりはしないワケで、一体どうやって処分したらいいモンかと途方に暮れる。燃やすのもなかなか大変なので、結局埋めることに。
昼間は住処を暴いて夜は周りを抱囲して。というのをやり続けてだんだん追い詰めていくわけですが。
しかしまぁ、辰巳とか人狼なんだからもっと戦えたと思うんだけどねぇ。
夜の間に襲撃したら結構なんとかなった様な気がしないでもないが。神社に逃げこまれたらダメかね?


松尾静の死に様とかはあんま描写されてなかったね。

「呆れたぜ、あんな子供までいるんだからな。しかもそれが、何の悪いことをしたんだって言うんだ。別に悪いことなんかしてねえ、殺していいって言われたんだってさ。なのになんで罰をもらうんだって、ぎゃあぎゃあ泣き叫ぶんだぜ」
「まったく、後味が悪いったら、ありゃしねえ」
「――誰だ?」
「境松だよ。爺と親父と、孫娘が戻ってたんだ。床下に三人列んで隠れててよ」