フレドリック・ブラウン「彼の名は死」

コン氏はしがない印刷業者である。妻を殺した一年前から彼は変わってしまった。人殺しをした事で、彼の犯罪に対するハードルが低くなったのである。
しかし生活は変わらず、あいかわらずの貧乏ぐらし。
コン氏がニセ札の印刷を考え付いたのは必然と言える。
コン氏はニセ札と本物の札の交換のため入念な計画を立てていた。
しかし、金庫に入れていたニセ札が、何も知らない事務員に使われてしまい、コン氏はニセ札を回収すべく東奔西走する羽目になる。


ん……まあタイトルは凄い面白そうなんだけど……。
結局妻に浮気されて勢いで殺してしまった*1印刷業者が次はニセ札作りに手を出したところ、ちょっとした手違いでニセ札が流出してしまい、それを回収すべく東奔西走して、揚げ句二人ぐらい殺すハメになると言う話。
ラストは確かに意外っちゃ意外だけどあんま正義が行われたという印象はないねぇ。
結局哀れな男の呆気ない一生だったなぁと言うだけで。

*1:妻殺しは結局偶然のアリバイでなんとか切りぬけた