ポドロ島

大抵国書刊行会あたりも、あまり知られていないマイナー作品を定期的に刊行してるわけだが
このうち、本当に面白く、所謂「埋もれた名作」と称される作品はほんの一握り。あとの大半は埋もれるべくして埋もれたものだったりする。
で、この本は明らかに後者に属する。


基本恐怖譚なんて書いてるけど怖いものではない。時代がどうとかじゃなくてね。古いものでも怖いものはあるけど、これは恐怖を伝えるために必要なものがごっそり抜け落ちてる。
なんというか、来るぞ来るぞと思わせておいて、そこでカタルシスを与えるのがホラーの醍醐味なのに。そこを無視していつまでも登場人物に間抜けな行動させたまんま終わらせたりしてる。
読者が気づいてるのに登場人物が気づいていないってのはある程度必要だがしつこくやられるとこちら側もイライラしてしまう。しかも、その後登場人物たちが気づいたり、驚いたりしないまんま終わってしまえば欲求不満がたまるばかり

なんか、書かないことによってあえて恐怖を出してるというよりも、明らかに「コレ絶対○○だよね」って感じのことが読者に丸わかりになってるくせに、そこから読者の注意を逸らせようと非常に無駄な努力してるよねって言う。