永遠へのパスポートその1

九十九階の男

その男は何故か脅迫神経的に屋上へ行きたがる。しかし、99階に着いてそこから上に上がろうとすると、てが勝手に手すりをつかんだまま離さない。
降りようとしたところで手は外れないのでちょっと目立つ行動をして、他人の手を借りてなんとか手すりから手を話すことができた。
ということをすでに何回も繰り返している
ということをとある精神科医に話している


この本の中じゃ一番まともな話じゃないか?
無意味に思える強迫観念が最後に収斂する、なんともミステリーチックな作品

アルファ・ケンタウリへの十三人

最初はどうにもぼんやりとした描写から始まる。
地球からアルファ・ケンタウリへ何世代もの世代交代を行い、
うーん。当時は斬新だったのかもしれないが、今や使い古されたネタのような。
そもそも中盤でその事実が明らかになってるあたり、あんまりそこで驚かそうって意図は無いんじゃないのかという。

12インチLP

あるとき友人の妻と浮気をしている主人公が、その友人当人から家に招待を受ける。そして、
海野十三の「振動魔」か
あるいは音を拡大して聞かせてその醜悪さに浸る極大嗜好なんかは江戸川乱歩に通じるものがあるかもしれない

地球帰還の問題

月面に打ち上げられ、地球に帰還はしたが、あいにくと墜落地点が南米のジャングルだったためパイロットはロケットもろとも行方不明に。
そして、それからもう5年も捜索隊を派遣しているのだがパイロットもロケットも一向に見つからない。
主人公は何回目かの捜索を行うためにジャングルに派遣された。


まあ、オチが弱いかなぁ。だって途中で見当つくし。
これ書かれたのいつだ?
月に何回も人送り込んで失敗しまくって、大気への再突入が出来ずに地球の周りを回りつづけてるとか。
あげくに唯一の帰還者まで行方不明とか、あんまりといえばあんまりな気が。現実の月面着陸はもう少しうまくいってるじゃん

逃がしどめ

ある時時間繰り返しに気づいた男。時間を繰り返してるのが自分だけで、だんだんとその時間が狭まっていることに気づく。そして、
うーん?特にこれといって特徴はない

ステラヴィスタの千の夢

住む住人の行動に反応し、生物的な反応を示すという「生きている家」の話。
正直こんな家住みたいとは思わないな。
人の体の中に住むようなもので生理的嫌悪感しか抱けない。
さらに前住人の反応が記憶として残っていて、それが事あるごとに過剰に反応するなんて悪趣味が過ぎる