首吊少女亭 (ふしぎ文学館)

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血脈

祖先の形質を受け継いだせいで顔は不細工、腰も曲がっている、人に嫌悪感を抱かせる見た目の主人公。
あるとき古書店で手に入れた本を大英博物館で読んでいると眠気に襲われ……。
うーん。確か、元になった話では博士の死体はなくて彼一人だけが部屋に残っていたはずだが?
そこら辺の矛盾は解決しないのか?
ていうかあの博士結婚してたんか?っていう

下水道

下水道を浚う仕事を生業としている下層階級の主人公。
あるとき同業の知り合いが不審な行動をとっているのを目につけ、あとをつけてみると……
結局「神様」の正体は何だったのだろう?

新人審査

ビクトリア朝の風俗などがなかなか興味深い一編

人造令嬢

タイトルが海野十三の小説みたいだ。
主人公は社交界で数年ぶりに叔父を見かける。彼は自分の娘と称する娘をつれていた。しかし、彼には妻はいなかったはずだが……。
問いただしてみると、伯父は彼女は人間ではなく人の細胞を培養した臓器で作られた人造人間だと告げる。

フランケンシュタイン切り裂きジャックを組み合わせたみたいな話ですね。
まあ、ファンタジーですし。

貯金箱

メイドの一人称で語られる、怪しげな貯金箱をめぐる怪奇譚。
良作
ビクトリアンゴシックってこんな感じだよねな感じで
雰囲気もいいと思う

凶刃

切り裂きジャックをネタにした幻想譚。
まぁ、ありがちな話
読んだ当時はホームズ時代の物語にしちゃやけに現代風だなとは思ったけど、まさか創作とは
でも創作だったらちょっと漫画的すぎる気がする。
ラストの刃を食いちぎるシーンはドラキュラに結びつけたかったのか?
語り部はこうして吸血鬼になりましたというオチなのか、それとも元々吸血鬼だからナイフの魔力が効かなかったのか

怪人撥条足男

ロンドン怪談、怪人バネ足ジャックにまつわる話。
同郷の友人アニーを殺された主人公は、犯人と思われるばね足ジャックを追うべく捜査を開始する。
しかし結局怪人は捕まらずじまい。犯人がホントにばね足ジャックなのかどうかも怪しい。

愛書家倶楽部

愛書家の伯父をもち、自らも本の愛好家である主人公。伯父が死に、それを契機にその本は全て自分に相続されるはずだった……。が、
そこに「愛書家倶楽部」と名乗る連中が現れ、伯父の遺体と全蔵書はすべて愛書家倶楽部へと寄贈されることになっていると告げる。伯父のサイン入りの契約書を持って。
自分の受け継ぐはずだった本を取り返すべく、主人公は棺桶へ入り「愛書家倶楽部」へと単身乗り込む。
前作と違い一応ちゃんとオチの付いた話
愛書家にとっては確かに理想のシステムでしょうね、これは。

少女首吊亭

これはヴィクトリア朝ではなく現代のイギリスが舞台。

イギリスの料理は糞まずいと聞いたが……この主人公は長い間のイギリス暮らしで味覚変わったんだろうか?