小林泰三「ドロシィ殺し」

やっぱり読みやすいですね小林泰三

今回は「オズの魔法使い」を元にしたストーリー

オズのまほうつかい (10歳までに読みたい世界名作)

オズのまほうつかい (10歳までに読みたい世界名作)

読んだことないのでよくは知らないが、まあ、桃太郎みたいな話やろ……と思って読んでましたね。そういえば元ネタ知らずに読むの初めてだな。

今回描き下ろしで書いてるせいか前回のような雑誌連載ゆえの複雑怪奇な理解に時間のかかるトリックは使われていない。
とはいえ、開始数ページで大体「あ、今回はアヴァターの入れ替えはなさそうだな…」となんとなく感じるので割と困惑することでしょうな。
アリス殺しがファミコンとしてクララ殺しがファミコン2としたら、今回のはスーパーファミコンのような感じですね

話はわかりやすかったので良かったですね。ああ、そういうことになるのか……とありなのか感あるけど世界的にありだろうな。と思う
ポイントはいよいよ「玩具修理者」に登場するあの姉弟がこのシリーズにも出演するってところですかね。いよいよ最高傑作の登場人物を出してきたか…

HPL「這い寄る混沌」その1

シャイニングトラペゾヘドロンを「輝く偏方二十四面体」とちゃんと日本語訳してるの初めて見た

星海社というFateライトノベル専門の出版社の本。
なので、当然表紙も関連あるイラストレーターになってる。「FateZero」の虚淵玄の所属するエロゲー会社のイラストレータ中央東口鬼哭街の頃と随分変わったな……。
客層はFateZero関連?ちょい前の萌え系クトゥルー神話の読者ターゲットにするにしては硬派だしなぁ。そもそもレッドドラゴンみたいなTRPGリプレイ本出してたからそれ関連で出す構想はあったのかも知れない。
表紙はかなり胡散臭い感じだが、人間体ナイアルラトホテプの姿としては極々順当な見た目をしている(自分の想定してたナイアルラトホテプに近い)。何故か人間体を描かれることのないナイアルラトホテプの貴重な人間体イラスト(何故人間体の姿があんまり描かれることがないのかは謎です)。ではあるがこの胡散臭さは本自体のチープ感を増幅させるぐらい胡散臭い。まあ本の装丁自体も竹書房か光文社あたりが流行に乗って出した程度の浅い本という感じではある……。なんか流行に乗ってムック出しました的な。いや、どっちかというと新紀元社的な胡散臭さかな。
逆にへんちくりんなイメージのナイアルラトホテプてどんなん?
PHP研究所あたりの漫画かな

ニャルラトホテプ (クラッシックCOMIC Cコミ)

ニャルラトホテプ (クラッシックCOMIC Cコミ)

こっちではファラオのような...云々を真に受けたのかツタンカーメンの仮面の様なもの頭に乗っけてましたね...もうね、アホかとバカかと。まあ、PHP研究所は「新訳狂気の山脈」とか出してますけど、あれも大概だったな。HPLの小説は大抵誰が訳しても同じように分かりづらくなるとは言え、新訳であのクオリティはないなと思ったよ。

ま、前述の通り誰が訳しても一緒、超訳でもせんかぎり読みやすい文章にはならんだろうと思っていたけど

今回のこれはなぜか代筆作品やら添削作品まで乗っけて、更に元作品まで乗っけているというので買ってしまいました。
こういうのは中々無い......無いこともないけどね。国書刊行会辺りの出してたラヴクラフト全集辺りにはあった気も。ただし絶版。
東京創元社ラヴクラフト全集別巻にはある。
本自体もなんか軽いし読みやすい。



ナイアルラトホテプ

まあ......夢の中の話だからなにがなんだかわからんのは想定内。
割りと分かりやすい訳だとは思うけど、漫画先に読んでたからそう感じるだけかもしれんしなんとも。

這い寄る混沌

ナイアルラトホテプの有名なあだ名「這い寄る混沌」と同じタイトル。そのわりにこの作品にはナイアルラトホテプのなの字も出てこない


そういえばカダスは収録されていないらしい。

「書架の探偵」その4

ようやく読了


書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)


まあ、感想は後にでも……
別に読み終わった直後って特になにも浮かばないことが多いよね。

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「書架の探偵」その3

積ん読消化しよう

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

謎のどこでもドアじみた扉を開くとそこはジャングルだった。
なんとなく、コールドブルック父がどうやって財をなしていたのかが漠然と分かってきましたが。
しかしまあ、これ同じことやる奴いるんでないのかなぁ?
いまのとこそうなると怪しいのは宝石店の連中ですよね?

どうでも良いけど今までコールドブルックをコールドブックと勘違いしていた。


今更だが、この世界、テクノロジー進化してる割に妙にアナクロなところあるよな……

「世界推理短編傑作集1」その2

思ったより辛い

人を呪わば

まあ、前に読んでいて落ちも覚えてたから別に面白さは感じなかったなぁ
仰々しいタイトルのわりに、内容はロジャー・シェリンガムの短編みたいな笑い話だった。
アントニィ・バークリーよりも前にこんな内容あったのかとちょっと驚いたけど、まあ推理小説とかの出来る前の作品だからたぶん。ウィルキーコリンズだし……

二巻目出たらしいけど案の定まだ一巻も読み終わってないな……

時雨沢恵一「SAOA GGO」3巻

これはゲームであって、遊びである

時雨沢恵一のSAOスピンオフシリーズ3巻目。
どうも流れというか落ちというところからすると、3巻まででようやく一つの話が終わったんだなという感じ。1巻が微妙臭いのは3巻までを想定してたからなんですかね。
しかしオチが…普通。普通すぎる…。そ、それは流石にみんな予想ついてるだろうし…。まあ、冷静に考えると割とドン引きする正体でしたね……。
アニメの方ではどういうわけか1巻を6話2,3巻分を6話とかいうなんか偉いバランス悪い配分にしてますがどういうことなんですかね。
最初にアニメ用のストーリー作っておいて、あとから小説として出したんですかね。よくある福井晴敏ローレライみたいな。
時雨沢恵一にしてはなんか微妙な感じがするのも、アニメありきのストーリーだったからですかね……。おそらくオリジナルは脚本家あたりが書いてたんですかね…。SAO2で何故か銃考証に時雨沢恵一の名前があったのもこの頃からすでにプロジェクトが始まってたことを示す証拠ですよね…。露骨に。あそこで名前出たあとスピンオフの小説書くってもう既定路線過ぎてな…。
あ、もう出た時点でアニメにするの決まってるんやなって。ていうか、その割に制作会社がSAO2と同じでないのが微妙っちゃ微妙ではある。

それにしてもシャーリーが本当に仲間助けるために背負ってたってのは意外でしたね。出てくる連中連中がどれも死体を盾にすることしか考えてないから、ピフトーイと同じこと考えてたが。てっきり、SAO本編の緑髪と同じキャラか、作者がそのキャラ気に入ったのでそっくりさん出してきたのかと思いきや、リアルで狩猟免許持ってるレンジャー。
こいつの闇落ちシーンは最高でしたね。動物を撃つというのはまあ仕事上のこととしても人間を撃つのには忌避感を持っていたのが、仲間の仇討からピフトーイへ憎悪を募らせて、「これはゲームであって、遊びなんだ」と。あ、これは2巻あたりの話か?
1巻2巻はオンラインでサバゲーやってるだけ感ありましたけど、今回になってからはもういろいろファンタジーな武器出まくってて「それありなん?」みたいな気にさせられますね。

感想としては分厚い割に早く読めたな。という以外に特に。やはり趣味全開の話ってなるとわかりにくい点がポロポロ出てきますね。SINCの連中のリアルとの見た目の対応とか、アニメのほうでようやく関連付けできた感じだし。銃に詳しくないのでどういう風な取り回ししてるのかさっぱりわからなかったり。やはりこれはアニメ前提で作ってる感がすごいな。
それにしても、レンが覚醒すると銃が喋り始めるって普通に考えてかなりサイコなんですが。蓮実聖司かお前は。あ、レンって名前もしかしてこれからとってるのか?

「世界推理短編傑作集1」その1

翻訳見直した割に微妙な時代の訳

世界短編傑作集の新盤。まあ、ものが良い割に、いつまでも戦前センスのまんまだったからなぁ……むしろ遅いのでは?
「『世界短編傑作集』って名前の割に、推理小説しか入ってないやん!どうなってんのこれ?」って突っ込みが多かったのか、名前に「推理」の二文字が入るようになりました。
遅い……今更か……。

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)

世界短編傑作集 1 (創元推理文庫 100-1)


まあ、名前分かりやすくなって、戦前の悪しき習慣「他の文庫に納められてるからこのアンソロジーには収録しないよ」がなくなったことはよいことだ。

と思ってたら、解説読んだ限りだと「犯罪文学傑作選」に収録されてるからって理由で、パール・S・パックの「身代金」は今回も未収録だそうな。画竜点睛を欠くというのはまさにこういうことでは?
何なんですかねこの習慣、ほかの本買わせるための手段?今だとすぐ本絶版になるからやる意味無いんでは。
今回復元されたのは、ポー、ドイル、チェスタトンの作品らしい。本書にあるのは「盗まれた手紙」、「赤毛連盟」の二つ。
でシリーズ全部で47短編となる。えらい半端だな。後一つ復元して48短編にした方がきりがよいのでは?47って四十七士じゃあるまいし。
しかしわざわざ旧文庫でも今文庫でも除外してあるのはなんか理由あるのか?他短編集に収録されてるからってねぇ……?

他としては、英語から重訳だったのを原語からの直接訳にしたそうな。まあこれは良いところですね。
翻訳も見直したそうな。まあ、旧文庫にあった変な文字ぬけやら句読点のおかしな点は無くなったかな。
ただ文章の見直した点は最低限で、例えばセリフの中で日本語の常識としておかしな点とかはそのまんまらしい


ポオ「盗まれた手紙」

流石にコレは新訳出せよ……

おなじみ。コレ読んだことない奴はモグリだろっていっても過言ではない基本。
ただなんかこの翻訳どっから持ってきたんだろ。
自分の嫌いな
「セリフが変にマンガ臭い」
ってタイプの翻訳。マンガ臭いってのはセリフが丁寧語とタメ口ってのがあんまり統一されてないとか、普通の口調になのにいきなり「~だぜ」みたいな乱暴になったり、「~かしら」みたいな今使ったらオカマ扱いされそうな言葉使うとか。
そういう、ドラえもんの昔の作品みたいな感じっすね。
まあ当時はこういう変竹林なしゃべりが普通だったんですかね。にしてもこれはさすがにレベル低いタイプの翻訳だから新訳出して良かったんでは?
昔の翻訳にも善し悪しあるからなぁ。
そんなわけで、翻訳の質が気になって読み進められない。
まあ内容知ってるからとばしても良いかな……

追記

読んだけど、思考の盲点ってのを説明すんのにページ数費やしすぎてなんかすごく眠くなった。
昔、偕成社版読んだときは普通に読めたからやっぱり翻訳の質かな。